Da CapoⅨ
夢見心地の夕暮れ
----どこまでも優しいこの時間が僕は好き。
空の色、風の匂い。
”今日”の学校の終わりを告げる、この時間が。
後、夕暮れは先輩を見つけやすくしてくれる。
昼間の光は少し強い。
でも、お日様が月に遠慮して頭を隠す準備をしだすと…先輩の音が、僕の大好きな音が世界に広がる。
僕の意識は先輩を追ってる。
いつの間にか。
知らぬ間。
無意識に、意識的に。
その音のあしあとを頼りに、僕は今日も先輩の音に近づいて。
先輩の微笑を見る。
「先輩、今日は僕と一緒に音楽を奏でてください」