二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【かいねこ】ダーリン  君と手をつなごう

INDEX|2ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

「んー・・・・・・」

扉の開く微かな音に、シトロンは不明瞭な声を上げる。
密やかな息づかいと、カチャカチャと陶器が触れ合う音に、シトロンは枕に顔を押しつけ、

「めーいこー・・・・・・もう少し寝かせてくれー・・・・・・」
「あ、あの、おはようございます、マスター。メイコさんが、もう起きる時間だと」
「んあ?」

聞き慣れない声に、シトロンは目をしばたいて顔を上げた。
見慣れない少女が、緊張の面もちでコーヒーを乗せた盆を手に持って、立っている。

「ど・・・・・・どちら様?」
「え?」
「自分で連れてきたくせに」

後ろから現れた赤いドレスの女が、呆れたようにため息をついた。

「え、あっ、メイコ、おはよう」
「おはようございます。さっさと起きて下さい。朝食の後、カイトから話があるそうですよ」
「えっ、な、何事でしょうか」

カーテンに手をかけたメイコは、振り向いてシトロンを睨むと、

「彼女、マスターが、賭の景品として引き取ったんですって?」

メイコの言葉に、シトロンは勢い良く少女の方に振り向いた後、ベッドに倒れ込んで、掛け布団を頭の上まで引っ張りあげる。

「ゆ、夢!これは夢だ!!俺はまだ布団の中で、夢を見ているんだ!!」
「この馬鹿マスター!!後でカイトから絞り上げてもらいますからね!!」

メイコはぼふっと布団を叩くと、おろおろしている少女の手を取り、

「こっちにいらっしゃい。どうせ、しばらく立ち直れないから」
「あ、はい」

促されるまま、少女はメイコについていった。