【かいねこ】ダーリン 君と手をつなごう
夕方、メイコが食事の支度をしていると、いろはが戸口のところから顔を出した。
「あの、メイコさん、さっきは」
「ああ、さっきはごめんなさいね。大声出したりして。びっくりしたでしょう?」
「えっ?い、いえ。私の方こそ」
「あんな奴だけど、見捨てないであげて」
そう言って、メイコは笑う。
いろはは、メイコに近づくと、
「メイコさんは、マスターのことが好きなんですか?」
「え?」
メイコは驚いたようにいろはを見るが、ふっと口元を綻ばせて、
「好きよ。向こうは気がついてないけれど。ふふ、お互い苦労するわね」
手を伸ばし、いろはの頬を撫でた。
「あ、あのっ、私は、メイコさんのこと、好きですからっ」
「ありがとう。あたしもいろはのこと好きよ」
作品名:【かいねこ】ダーリン 君と手をつなごう 作家名:シャオ