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長男サンジ①

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自己紹介を終えると、
サンジはキッチンに向かった。が、一瞬で出てきた。

そしてさっそく言い出した。

「船を降りる。」

「おっおいサンジ!!!何言ってんだよっっ!!!」

「・・・・お前等いったい何食ってきたんだ!!!!」

「「「「・・・・・ぇ」」」」


「はぁ、ったく、出来合いばっかじゃねーか。
そんなんでよく海賊やってるな。食生活ひどかったんだろ。」

「「「「・・・・はい。」」」」

「なんなんだあの肉と酒は!!! 体のこと考えやがれ!!!
医者の苦労もちったぁ考えろ。野菜食え野菜っ!!!!バランスってもんがあんだろうが!!!」

「「「「・・・すみません」」」」

「通りであんなに必死でコックを探してたわけだ。
お前等にだって夢があんだろーが、あのままだったら夢叶える前に病気で死ぬ所だったぞ。」

「「「「・・・・・・ごもっとも。」」」」


「まぁこれからは俺が居る。安心しろ。」

「「「「・・!!!」」」」


「だが、その前に買出しだ。
あれじゃぁ作れるもんも作れねぇ。」

「あっえーと、言づらいんだけど、あと2日は次の島に着かないわ。」

「・・・ナミどうにかしろ!!!」

「馬鹿言ってんじゃないわよ、そもそもアンタが問題起こしたせいでしょうが!!」

「・・・すみませんでした。」

「で、どうすんだ?」

「はぁ、しょうがねぇ。とりあえずルフィ、ゾロ、チョッパーは釣りでもしてろ。
長鼻、お前はちょっとこっち来い。」

「分かった。って長鼻じゃねーーーよ!!!!」


サンジはウソップを連れてもう一度キッチンへと姿を消した。
中でもからかっているのかギャギャーとウソップの声がする。


「ヘヘッ良い奴見つけた。」

「サンジ、なんだか頼りになる感じだな。」

「・・・・みてぇだな。」


「良い人そうね。」

「うふふ、料理が楽しみね。」



釣りをしろと命じられた3人は肩を並べ、必死だった。
先ほどチョッパーが1匹吊り上げた。
その歓声が聞こえたのかサンジが甲板に顔を出したことに気づき、
チョッパーが大喜びでサンジの元に持っていった。

「サンジ見てくれ!!釣れたぞ!!」

「おっやるじゃねーか。これは刺身が美味いんだ。刺身は好きか?」

「大好きだ!!!」

「そっか、お前は特別大盛りにしてやる。」

「ほんとか!!」

「ご褒美な。」

チョッパーは喜んでサンジに抱きついた。
さっき会ったばかりとは思えないほどチョッパーはサンジにすぐに懐いた。
サンジもそんなチョッパーが可愛くて帽子を撫でる。

そんな様子を見ていたルフィが文句を足らす。


「おい、サンジ。俺も大盛りが良い。」

「釣ったらな。」

「分かった。」

約束だからなっ!!!と叫びながら、ルフィは釣りを続行する。
そんなに大声を出していては釣れるものも釣れないということに気付かない。

「ゾロ。」

「なんだ?」

「お前のその面は見せかけか?」

「・・ぁあ?」

「腹巻なんか巻きやがって漁師みたいなナリして、
一匹も釣ってねぇとはどういうことだ。」

「・・なんだと!!?」

「お前には期待してんだ。チョッパーに負けたらお前の分は無ぇからな。」

「・・んなっ!!!!」

「刺身は酒のつまみにピッタリだぞ。」

「・・・・。」

「頑張れよ。」


サンジはウソップから聞いて、ゾロが酒好きと知っていた。
だから、こう言えば不満はあれどおとなしく言うことを聞くだろうと思った。
そして案の定ゾロはくるりと海の方に体を向け釣りを再開した。

「俺もまだまだ頑張るぞ。」

「あぁ、頑張れ。」

「サンジの分も釣ってやるからな。」

「頼もしいぜ。」

チョッパーももう一度ルフィとゾロの間に戻り、釣りを再開する。

良い船だな――

これからの航海がなんだか面白そうで、
この船に乗れたこと、この船の一員になれたことを嬉しく思った。



「お前なぁっ!!ちょっと黙ってろ!!!」

「うっせぇ邪魔すんな!!」

「邪魔してんのはテメェだっつの!!!」

「ゾロ、ルフィ、おっ落ち着けよぉ・・・あぁ!!!竿が・・・・」

「落ちたじゃねぇかよ!!!!!!」

「俺のせいかよっっ!!!!!」



「「「サンジーーーーーーー!!!」」」




(やっぱり前言撤回だ。)


作品名:長男サンジ① 作家名:おこた