長男サンジ①
そういえばお前伸びてたな?
そしたらお前ゾロに紐でもつけてびよーんと遠くに投げろ。
そんで、お前潜った一瞬で魚取って来い。
なに、すぐ引き上げるさ。
有無を言わせずに本気の顔で言うサンジにルフィが了解してしまい。
ゾロは紐もつけずルフィの腕を絡められ遠くに投げられた。
そして海のせいで力が抜けたルフィの腕にゾロは必死に掴まり船にびしょ濡れで戻ってきた。
「うわ・・・本当にやったよ。」
「ざけんじゃねぇーぞ!!!」
「ニシシシシ、楽しかったな。」
「楽しかねーよ!!!!」
「アッハハお前等最高だな。今日は特別に許してやる。
明日は真面目に働けよ。ちったぁチョッパーを見習え。」
怒りが収まらないゾロと料理が楽しみで仕方ない二人がギャギャー言ってるが、
そんな二人を置いてサンジはキッチンに戻った。
「おっ、やるじゃねーか。」
「よぉ、収穫はあったのか?」
「チョッパーはよく出来る子だな。」
「・・・あの二人は駄目だったんだな。」
「随分片付いたな。」
「頑張れば綺麗になるもんだな。」
サンジがキッチンに足を踏み入れた瞬間。
目に入ってきたのはシンクにたまったゴミの山。
とりあえず、仕方ない。と冷蔵庫をチェックしてとうとうブチキレたのだ。
「本当にお前等よく生きてるな。」
「・・・・・そっそんなにか?」
「あぁ。」
「わっ悪ぃな。」
「別に謝ることじゃねーよ。
よし、そろそろ夕飯の準備始めるからお前も休め。」
「手伝わなくて良いのか?」
「ここからはコックの仕事だ。」
「そっか、分かった。」
「楽しみにしてろよ。」
「おう!!!!」
夕飯までの間、
クルー達は甲板でそわそわしていた。
さきほどから香ってくる良いにおいに期待が高まる。
ルフィは今日1日ずっとご飯のことばかり考えていたので限界だった。
「駄目だ。限界だ。サンジーーーーーーーーーーー!!!!!!」
ルフィがかつて聞いたことが無いほどの雄叫びをあげた瞬間、
ダイニングからサンジが顔を出した。
驚きの表情だったが、一斉に皆が振り返りなんだか飢えたような顔していたので、思わずフッと笑ってしまった。
その顔にクルー達が見惚れたのは一瞬。
サンジの一言に全員が歓声をあげる。
「出来たぞ。」
「飯だぁーーーーーーーーー!!!!!!!」
皆が席に着いたそのテーブルの上には見事に綺麗に並べられた料理の数々。
あの冷蔵庫の中の何をどう使ったらこうなるのか不思議でたまらなかった。
「スッゲェーーーー!!!!」
「・・・スッスゲェ。」
「えぇ、本当に見事ね。」
「美味しそうだわ。」
「俺が釣った魚!!!」
・・・・ぐぅう~~~~
「お前の腹は正直だな。」
「るせぇ。」
「さっ、召し上がれ。」
「「「「「「いただきまーーす!!!!!」」」」」」