お節介な贈り物
金澤は香穂子の顎にそっと手を伸ばし、軽く振り向かせる。忍び寄るキスの気配を悟り、恥ずかしそうにまぶたを閉じた香穂子を見て微笑むと、微かに震える唇を奪った。
「ん……」
最初は触れ合うだけのキス。
次第にそれは、深さと激しさを増していく――。
「……ふっ……ぁ……」
吐息までもを奪うような情熱的なキスに、すっかり全身の力を奪われた香穂子は、自分の足で立っていられず、その場に崩れ落ちそうになった。
「――っと……」
逞しい腕が香穂子の腰を抱き留めた瞬間、港から一斉に花火が打ち上がる。
「あ……花火……?」
まだ上気した顔で、金澤の腕の中にすっぽりと収まった香穂子が呟いた。
「メリークリスマス、香穂子」
「メリークリスマス……紘人さん」
どちらからともなく顔を寄せ合って、キスを交わす。
真冬の夜空に咲いた大輪の花を背景に、香穂子は自分を優しく見つめる、琥珀色の瞳に魅入っていた。