二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

彼氏の言い分、振り回され王選手権

INDEX|6ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 


暫定二位 ギルベルト・バイルシュミット



ローデリヒ・エーデルシュタインの屋敷ではパーティーが開かれていた。
屋敷の主は大広間でピアノを演奏している。見事な腕前だ。
その音楽が遠くに聞こえる。
ギルベルトはバルコニーにいた。
ひとりではない。
エリザベータと一緒に、である。
今夜のエリザベータはパーティーの出席者らしい格好をしている。
そして、パーティーで振る舞われた酒を飲んで少し酔っているようで、気分の良さそうな、ほんわりとした表情をしている。
ギルベルトはその横に立っている。
距離は短い。
いい雰囲気だ。
「エリザ」
呼びかけた。
エリザベータがこちらを見た。
警戒していない眼。
その頬に笑みが浮かぶ。
花が咲いたみたいだ、と思う。
触れたくなる。
だから、そうするために、ギルベルトは手をあげる。
けれども。
「オイ!」
どこからか乱暴な大声が聞こえてきた。
「泥棒だ! だれか、つかまえてくれ!」
驚いて、ギルベルトは周囲に視線を走らせる。
今いるバルコニーから見える庭、そこを逃げるように走っている男が見えた。
あれが泥棒なのか!
ギルベルトはバルコニーの手すりをつかみ、身を乗りだすようにして庭を見る。
ふと。
隣で、ギルベルト以上にエリザベータが身を乗りだしているのに気づいた。
ギルベルトはエリザベータを見る。
エリザベータの表情は真剣そのものだ。酔いはどこかに行ってしまったらしい。
「ローデリヒさんのお屋敷に泥棒に入るなんて、ゆるせない」
そうつぶやいたエリザベータの眼には怒りの炎が揺らめいていた。
エリザベータは手すりを強くつかんで、庭のほうへとさらに身を乗りだす。
まるで手すりを乗り越えようとするかのように。
ギルベルトはぎょっとする。
「お、おい、なにする気だ……!?」
「決まってるでしょう」
エリザベータは凜とした顔をギルベルトに向けた。
そして、続ける。
「泥棒をつかまえるのよ」
やっぱりーーーー!!
そう胸の中で、ギルベルトは叫んだ。
「なに考えてんだ、おまえは! そんな格好で、泥棒をつかまえに行ったら危険すぎるぜ!」
「あんたは小っさいこと気にしすぎなのよ」
「小っさくなんかねーだろ!」
ギルベルトは手を拳に握って主張した。
すると、エリザベータはなにか考えているような表情になり、手すりから手を放した。
泥棒をつかまえに行くのを思いとどまったらしい。
そうギルベルトは思い、ほっと胸をなでおろす。
しかし。
「たしかに、こんなに長かったら、戦うときに邪魔になるわね」
エリザベータは物騒な台詞を言い、ドレスの裾をつかんだ。
ふたたび、ギルベルトはぎょっとする。
「お、お、おい、なにする気だーーーー!?」
あせって問いかけた。
だが、エリザベータは答えない。
無言で、なんのためらいもなく、勢いよく、ドレスのスカート部分を引き裂いた。
「うおおおおおおいいいいいーーーー!!!」
ギルベルトは驚愕し、叫んだ。
けれども、エリザベータはその叫びを完全に無視している。
「これで良し」
エリザベータは切り取った部分を足元に捨てた。短くなったスカートから綺麗な足が出ている。
それから、エリザベータはギルベルトを見た。
「じゃあ、ちょっと行ってくるわ」
そう明るく勇ましく告げると、その眼を庭のほうにやる。
さらに、ふたたびバルコニーの手すりをつかんだ。
「おい! ちょっと待て……!」
ギルベルトはエリザベータがなにをしようとしているのか察し、止めた。
だが、エリザベータは動きを止めず、手すりを乗り越え、庭へと飛び降りていく。
バルコニーにひとり残されたギルベルトは、ぼうぜんとする。
しかし、すぐにハッと我に返り、叫ぶ。
「あいつ、見た目としゃべり方は変わったが、中身は昔のままじゃねぇかーーーーー!!!!」




ちなみに、泥棒は、慌ててエリザベータを追いかけたギルベルトがつかまえました。