みんな目金を好きになる
それに……。軽く咳払いをして、柔らかく微笑む。
「貴方たちがいるもの」
木野と音無はハッと口を開け、嬉しそうに頷いた。
三人のマネージャーの気持ちが一つになる頃。サッカー部の部室では勉強会が再開されていた。
机に頭を載せる円堂がぽつりと呟く。
「なあ、目金どうした?」
「欠席だって言っていたぞ」
松野が答えると、ふーっと息を吐いた。
「そうだったな。なんか、ムショーに目金に会いてぇな」
「奇遇。俺もだ」
「俺もだよ。アイツの眼鏡がどんなだったか目に焼き付けたい」
円堂の言葉に次々と賛同する仲間たち。
「目金の眼鏡ってなんであんなカッコ良いんだろう」
「なんでだろうな……」
目金の眼鏡を思い浮かべ、うっとりとする。もはや勉強など身に入らない。
惚れ薬は着々と心に侵食していった。
作品名:みんな目金を好きになる 作家名:ただスラ