past 後編
「大佐、思い出し―――
「くだらん作り話だな。」
「････っ・･。」
「話は聞いた。大人しく捕まることだ。」
「待てよ大佐!!!!」
「････なんだハボック。」
「証拠がある。大将、」
本当は写真など見せなくても思い出してくれるんじゃないかと思っていた。
大佐ならば・・・・と。
エドワードは頷くとゆっくりと手に持っていた写真を見せた。
「･････写真？」
「･････ぁ･･･!!!!!」
その写真を見てロイも少し表情を変える。
そしてリザの目は驚愕に開かれた。
「俺たちが故郷に出発した日だ。
皆が忙しいのに見送りしてくれたんだ。嬉しかったよ。」
「そんな写真―――
「・・・エ・・ド・・ワード君・・・？」
「｢｢｢｢・・っ!!!??｣｣｣｣」
「中尉っ!!?」
「・・ウソ・・・どうして、こんなこと・・・・」
「中尉っ何を言ってるんだっっ!!!」
「・・・大佐!!!思い出して下さい!!!･･エドワード君の言っていることは事実です!!」
「・・・っ・・・お前まで騙されて!!」
怒りがこみ上げてきたロイはリザを思い切り突き飛ばす。
小さいを悲鳴をあげたリザを少佐が受け止める。
「大佐っ!!!」
「・・・何を言ってるんだお前等は、ふざけるなっっ!!!!!」
次々と仲間と思い信頼している人達がエドワードにつき、
ロイは混乱していた。
何も忘れていない。全てしっかりと覚えてる。
なのに、何を思い出せと？
なぜヒューズを殺した奴の肩をもつ。
復讐心に勝った？
そんなものどうでもいい。
これが私に与えられた仕事だ。
私が殺して何が悪い？
ロイはゆっくりとエドワードに発火布をつけた手を向ける。
「大佐っっ!!!!!!!」
「中尉、大丈夫。」
「･････エドワード君、」
「大佐、大佐には俺は殺せない。」
「・・良い度胸だな。」
「大佐は優しいから。」
「･････黙れ。」
「大佐、」
「黙れっっっっ!!!!」
パチンッッ
ロイの手元が光り、炎が生み出される。
後ろに居たハボックがグレイシアを引っ張り体を防ぐ。
アームストロングもリザを自分の後ろに庇う。
だが、エドワードは一歩も動かなかった。
ロイが放った炎はエドワードの頬を掠めた。
「大佐が好きだよ。」
「････････っ!!・・・」
エドワードの傍に居るハボックやグレイシア、
アームストロングとリザは何も驚きはしなかった。
知っているから。
ただその場で一人知らないロイだけが動揺していた。
作戦にしても意図が読めない。
まっすぐに見つめるエドワードからは嘘を言っているようには思えなかった。
では真実？
一体どうなってるんだっ―――