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past 後編

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―――体を取り戻した後は、

俺たちの旅を支えてくれた皆のために、この国を守りたい。

皆のために生きたい。



『俺はずっと大佐に守られてきた。
だから、これからは俺があんたを守ろうって思った。』

『それが今の俺の夢だ。』



少しでもいい、少しでもいいから、
今までわがままに付き合ってくれた皆の力になりたい・・・・

大切な皆を、自分達が守られてきたように守りたい――――





「だから謝らないで下さい。
それがいつもの身勝手な行動で、しょうもないことだとしても・・・
謝るなんて許さない。」

「・・・・・アルフォンス・・」


「・・・・そして・・・・皆さんも夢を叶えてください・・!!!
立ち上がって前へ進んで、止まらずにっっ・・兄さんみたいに・・っ
でないと・・でないとっ・・・僕は許せません・・・・絶対に許しませんよっっ!!!!」


「・・アルフォンス・・、」




「ありがとう。」





「・・・・・・っ・・・っ・・」



リザがゆっくりとアルフォンスに近づき、その小さい肩を抱く。
最後に別れた時はまだ鎧の姿で、兄エドワードよりも大きかった。
だが、今のアルフォンスは痩せ細り弱弱しく小さい。
それでも、アルフォンスの目はエドワードのように光り、強い意思を持っている。
あの時よりも強く頼もしく感じた。


「・・・大佐、やるべきことが山程ございます。いつまで無能でいるおつもりですか。」

「・・・あぁ、・・・君は本当に・・厳しいね。」

「先に司令部に戻りますので。」

「君ほど優秀な副官は居ないな。」


そしてリザはアルフォンスやその場に居た全員を連れてその場を去った。
最後にアルフォンスがもう一度振り返り小さい声で言った。


ありがとうございます――



リザに案内され、アルフォンスは車に乗り込んだ。
パタンとドアが閉められた瞬間、抑えていた感情が溢れ出す。




うわぁぁぁぁぁーーーんっっ

兄さんっ兄さっ・・・・・・兄さんっっっ・・



兄さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ・・





車には乗らず、中に背を向け寄りかかる。
その横にハボックも並んだ。


「・・・・。」

「・・・・。」

「私達はずっと前からいつだって助けられていたのに、」

「まったくッス。」


ハボックは煙草に火をつけ、空に向かって煙を吐き出す。
リザもまた空を仰ぐ。

「・・・泣いたって良いと思いますよ。」

「あなたこそ・・」



あなたの言葉に、
おまえの言葉に、


いつだって勇気を貰い、
いつだって助けられていた。


あなたは気づいてなかったの?
おまえは気づいてなかったのか?



あなたが居ない世界は、
おまえの居ない世界は、

あんなに憎しみに満ちていたじゃないか。




どうして、

なんで、



私たちに、
俺たちに、


守らせてくれなかったのっっ・・



「情けないわ、」

「同感ッス。」

「でも、止まるわけにはいかない。」

「はい。」

「私達はこの命で、彼が守りたかったものを守りましょう。」

「不思議っす・・すげぇこの辺が温かい。」


ハボックは胸の辺りをギュッと掴む。
リザも胸に手を当てた。


「えぇ、本当に。」




作品名:past 後編 作家名:おこた