past 後編
まだ煙が僅かに漂う。
ロイとエドワードの二人きり。
「エドワード････」
「エドワード･･･」
いくら呼びかけても返事が返ってくることはない。
エドワード
君は本当に無茶をする
そして君は・・ずるいね
もう一度だけ目を覚ましてくれないか？
・・本当に・・ずるいね・・
ロイは抱きしめているエドワードの頬をそっとなぞる。
その頬に温もりが戻ることはもう無いけれど。
それでも、エドワードの残した温もりはちゃんとロイに伝わっていた。
嬉しいよ
君の言葉すべてが嬉しい
そして君の言葉すべてが愛おしい
エドワード聞いてくれ
私の気持ちも聞いてくれないか―
私もずっと守りたかったんだよ
君のことをずっと守り続けたかったんだ
この手で、私の持つ全てで
エドワード
私も―――
ロイは閉じられたエドワードの瞼に口付ける。
目を閉じて、その瞼にそっとそっと口付ける。
寂しげに唇を離して目を開けるとそこにはエドワードの笑顔があった。
・・・両想いだエドワード・・
エドワードの体をその場に優しく横たわらせる。
自分の着ていた軍服をその傷が隠れるようにかける。
エドワードのズボンのポケットから角がはみ出していたものを抜き取る。
今ならば簡単に思い出せる。
『全員そこに並べ！！』
『大佐、戻ったら言いたいことあるから。気合入れて待ってろよ。』
『行ってきなさい。』―――
全員が笑顔でそこに並んでいた。
この写真貰ってもいいかい？
その代わり・・・・
その代わり、
約束する
私は前へ進み続けるよ
だから
待っていてくれるかい？
いつか誰もが通るその場所で
私のことを待っていてくれるかい？
私は長く待たせることになるだろう。
やることがいっぱいあるからね。
でも、早く行ったらきっと君は追い返すだろう？
待っていてくれ。
私は君のように、
胸を張ってそこに往くから。
よし・・・・
じゃあ、
行ってくるよ
――――『あぁ、行って来い』――
まだまだ夢は覚めないね
この道の向こう何が待ってるんだろう?
きっときっと答えはあるから
諦めきれない立ち止まれないんだ
でも後ろ髪ひくあと少しだけでも
その柔らかな笑顔の隣に居たいけれど
まっすぐに駆けだす晴れ渡る青空が眩しい
追い風に煽られ新しい旅が始まる
いつかまた会えるよう振り返らずに明日へ向かうよ
Good luck my way 信じる道へ
あっちこっち駆けずり回って
叩き込まないと答えはでないみたい
きっときっと後悔しないで
笑い合えるよう進み続けるんだ
ほらもう怖くはない 明日何が起こっても
乗り越えられそう ここまで躓いても来れたから
移り行く世界の片隅で君に会えてうれしい
あふれそうな想いを言葉に出来なかったよ
いつかまた会えたらもっとうまく伝えられるかな?
Good luck my way 微笑みかけて
まっすぐに駆けだす 晴れ渡る青空が眩しい
追い風に煽られ新しい旅が始まる
いつかまた会えるよう振り返らずに明日へ向かうよ
Good luck my way Smile at me
移り行く世界の片隅で君に会えてうれしい
あふれそうな想いを言葉に出来なかったよ
いつかまた会えたらもっとうまく伝えられるかな?
遥かな虹を超えて
Good luck my way 信じる道へ
エドワード――
・・・・愛している