紳士と魔法使い-α
「・・・・・・なぁ」
「なんだい?」
「今日アイツ、すっげぇ何か、病んでない?」
「そうなのかい?俺にはいつも通り見えるぞ!」
「・・・確かに、イライラしたり、悲壮感を漂わしたり、倦怠感をむきだしにしたり、と中々大変そうですね」
「そーいえばさっきのお前の挑発にものってへんかったなぁ」
「だろ?!だろ?!絶対アイツ変だよ今日!」
「ねー俺昨日アイツの家用事でいったんだけど、超怖かったんだよー!何かね、黒い渦が家から出てたし!」
「黒い渦・・・?!」
「はっ。どーせお前の幻覚だろ馬鹿弟」
「違うってー!本当だってばー!」
「黒い渦・・・何か、不吉な感じアルよ」
「怖いですネ老師ー」
「ってかマジパネェ的な」
「なんか邪悪な感じがするしー」
「邪悪?!それってヒーローの出番じゃないか!」
「あっちょっ皆さん静かにされた方が」
「このお馬鹿さん!今はそんなことを議論する場ではないでしょう!」
「でも俺本当に見たんですよー!」
「元々あの人がおかしいって話なんですよね?つまり昨日から?」
「ん・・・」
「そっかー。昨日何かあったかな?」
「な、な、な、なにもなかったとおも、いま、す・・・・」
「僕知ってるですよ!アイツ一昨日一人で家中の本棚ひっくり返してたですよ!本に埋もれてたですよ!」
「そうか、アイツも一人だったのか…」
「あんたは黙っときなさい」
「マジ意味わかんないんだけど」
「フライパンの起源は俺なんだぜー!」
「だから会議中にしゃべるなといっているのである」
「とりあえず一昨日君が本棚をひっくり返してるのを見て、昨日貴方が黒い渦を見て、今日はイラついてると」
「僕もいらつくよ」
「兄さん・・・」
「そーけ!」
「あんこうざ」
「渦は幻覚だけどな!」
「本当だってー!」
「あ、ねぇ、お姉ちゃん困っちゃうから皆ちょっと・・・ね?」
「でも・・・渦は、・・・そんなに関係・・ない・・・・と思う」
「あぁ?バーロ、関係なくはねぇだろ!」
「俺だけが見たんじゃないよ!俺怖くて引き返してドイツと一緒に郵便ポストに書類いれてきたもん!ねードイツドイツ昨日見たよね?一緒に見たよね?!」
「・・・お前らいい加減に」
ガ、タリ。
「・・・・・・」
「・・・・おい、イギ」
ッガァン
「いい加減にしねぇかこのクソ野郎共が!っざけてっと全員大事なとこロープで縛ってきゃんきゃん言わすぞゴラァ!!」
…シ・・・ン
「・・・・・・さすが」
「元ヤン!」
「あ、お前ら昏睡決定」
うわああぎやあああやめてぇえお兄さんいじめないでぇぇ
俺らヤンキー時代のお前にやられた筆頭者やしいやあぁらめええぇ逃げてろまぁのおおお
ちょっと待て俺何もいってないんだけどぉおおおお
「すごいや、これが『会議はボコる』かい?」
「会議は踊る、だよ」
「誰?」
「カナダだよ!」