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Kid the phantom thief 前編

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終了を知らせるチャイムが鳴った。
蘭は園子との用事があると言って先に帰った。
新一もハクを起こし、高校を後にする。

信号が青になり、横断歩道を渡る。
すると後ろの方から声がした。


「快斗?」


新一は最近知ったばかりのその名前に思わず反応し、振り返った。
振り返った先には制服を着た女の子。
どこか蘭と雰囲気の似た女の子が居た。


「・・快斗っっっ!!!!!!」


いきなり新一に抱きついてきた女の子を反射的に受け止める。
青色が点滅し始めたので、事情の前に渡りきることにした。
すると途端に女の子は大声で泣き出してしまった。
困り果てた新一は近くにあったファミレスに連れて行く。
ファミレスに入っても目立つことは目立つのだが、外に居るよりかマシだった。

改めて顔を見ようとしない女の子は泣き続けた。

「快斗」

「会いたかった」

「生きてた」

女の子の言う言葉から、『快斗』というのが『黒羽快斗』ということは間違いなさそうだった。
だが、なぜ勘違いしたのか・・新一がまさか、と振り返った先にはハクが居た。

背中をさすり、落ち着かせてやる。



「落ち着いた?」

「・・・・・っ・・・ごめ・・なさい。」

「気付いてたんだ。」

「・・・・はい・・。」

女の子は気付いていた。
本当は快斗ではないことを。
それでも酷似していた新一を見たら、感情が止められなかった。

「俺は工藤新一。」

「知ってます。私は中森青子。」

「どうして俺を『快斗』って人と間違えたんだ?」

「その鳩が・・。」

やっぱりか―――

「『快斗』って人も鳩連れてたんだ。」

「マジックが大好きで、いつも2、3羽は一緒に居ました。
でも、それだけじゃなく・・顔も似てるの。」

「俺の・・顔?」

新一に変装されたことはあったが、キッドの素顔は見たことがなかった。

「工藤新一と間違われるぐらい。」

「そんなに似てんのか?」

「これ・・・」

目じりの涙を拭き、青子が取り出したのは、
青子と恐らく快斗と思われる男との2ショット写真。
その男は満面の笑みだった。新一にそっくりだった。

「うそ・・・だろ・・。」

「ね、似てるでしょう。」


これが黒羽快斗。
これが怪盗キッドの素顔。
俺にそっくりで・・・・

俺の知らない顔・・・・・


新一は怪盗キッドではなく、
黒羽快斗という人間がどうなったのか気になった。
だが、青子に聞くことは酷だと思い。
口をつぐむ。



「突然ごめんなさい。」

「いや、いいんだ。」

「また、」

「あぁ、」


青子と別れた新一はまた帰路に戻る。


お前の日常、『黒羽快斗』という人間。
お前にももちろん俺と同じように平凡な日常があったんだな。
お前にも可愛い幼馴染が居たんだな。

多分、好きだったんだろ?

マジックも大好きだったんだな。

でも、お前はそのマジックを犯罪に使った。
それは苦しくはなかったか?
楽しむ観客が大勢居ても、どこか苦しかったんじゃないのか?




俺はお前のことをもっと知りたかった。
お前が居なくなる前に・・・

お前に似てる俺。
俺に似てるお前。

お前と同じ選択をした俺。
俺と同じ選択をしていたお前。


俺は・・・・・
お前の傍に居るようで・・まるで遠い。
まるで何も知らずに、

好きだと愛してるだのと言っていたんだな―――

作品名:Kid the phantom thief 前編 作家名:おこた