東方疑異伝
「え~っと・・・・・・まぁよろしくっと。 しかし……さっきは俺を殺そうとして、今は手当てしてくれてるなんて、行動が矛盾してないか? スカーレットさんよ?」
「レミリアでいいわ。 …さっきのアレは謝るわ。 最近ちょっとムシャクシャしていてね」
ぷいっとそっぽを向きながら謝罪の言葉をなげるレミリア。
ムシャクシャして殺されそうになるのはたまったものではない。
「ムシャクシャしていてねじゃないですよ、お嬢さま。 図書館を見るも無残な姿にしてしまっては流石のパチュリーさまも今度ばかりはお怒りになられますよ」
横にいる咲夜が注意を促す。
その様子から、さながら咲夜はレミリアの保護者だと烏騅は思った。
「まぁやってしまったのは仕方ないじゃない。 スッキリしたから多分大丈夫よ」
「はぁ、これからは自制してくださいね。 ・・・…こんなところで話す内容ではありませんがお嬢さま、紅魔館も深刻な人手不足ですよ。 妖精メイドは衣食住さえ用意していれば働きますが、サボりの常習者ばかりです」
「あぁ、咲夜。 その件なんだけれどね」
レミリアがこちらをみてニヤッとしている。
なんか嫌な予感しかならない烏騅である。
「? お嬢さま、なにか良い案でもあるのですか?」
「簡単な話よ。 足りないなら足せば良い。 ここにいる烏騅を雇うのよ。 それで少しはましになるでしょう?」