東方疑異伝
階段を降りた先は、少しばかり入り組んでいて、そうまさにファンタジー作品とかの迷宮のような場所だった。
「いったい…どの辺まで…歩けば…良いんだろうな…?」
烏騅は30分ばかり歩いた時点で道を間違えた事に気付いたが、戻るにも戻れず…こうしてさまよっている。
「えいっ!」
その時背中にいきなりと飛び掛かれるような衝撃を受けて烏騅はよろけた……というか吹っ飛んだ。
「えっ? えっ? な…なんだ?」
「お姉さん、遊ぼう♪」
その声にゆっくりと後ろを見るとレミリアを金髪にして、赤い服を着ているようじ……少女が背中に張り付いていた
レミリアとは違い、コウモリのような羽根ではなく、細く折れ曲がった棒に宝石がついたような羽根をしている。
「えっと……なにやってんの…?」
「えへへ…フランつまんなかったの。 だから遊ぼう♪」
背中からは降りて烏騅の目の前に立ち、にこやかな笑みで言った。
「…君…名前は?」
「名前? フランドール。フランって呼んで♪ 貴女のお名前は?」
「俺は烏騅。 えっとフラン、君…上に行く道わかる?」
「上? ひょっとしてお姉さん、迷子?」
「おね……」
『お姉さん』その言葉にまた烏騅は打ちのめされた。
「どうしたの? お姉さん」
「なっ…なんでもない、それと俺はお姉さんじゃなくてお兄さんね」
なぜ俺は女に間違えられるんだろうか、この髪を短く切ったら間違えられなくなるだろうかとつぶやきながら、尻尾みたいに結んである後ろ髪を指でつまんで見つめながら烏騅は思った。
「そうなんだぁ。 んじゃお兄さん、よかったらフランが上まで連れてってあげようか?」
フランドールケタケタ笑いながら烏騅に言った。