東方疑異伝
「……なんでここの階段だけ長いんだよ……」
なぜか三階部分につながる階段だけ他の階段に比べて異様に長く、段差も他のより高かった。
おかげで体力を消耗しレミリアの部屋に入る前に呼吸を整えるはめになった。
息を整えてドアを開ける。
「失礼しま・・・」
ドアを開けた瞬間、烏騅の目には驚きの光景が入ってくる。
「うー♪ しゃくや! しゃくや!」
「あぁ、お嬢さま! もっとお願いしますぅぅ!」
「もっかい? うー♪ ぎゃおーたーべーちゃうぞー」
「あぁお嬢さま!」
部屋を間違えたのか、それとも作品を間違えたのか、どこかの亀の魔王のような着ぐるみを着ているレミリアと、鼻から忠誠心がだだ漏れの咲夜がいた。
「しゃくや~しゃくや~うー♪ ……う?」
呆然としてる烏騅と幸せそうにうーうー言ってるレミリアの目がちょうど合ってしまった。
咲夜だけ鼻から忠誠心だだ漏れで幸せそうだが、気まずい空気になる。
「どうやら部屋を間違えたようです。 失礼しました」
なにも見ていなかったと心で呟きながら烏騅はドアを閉めようとしたが、その直前でドアの隙間から手が出てきて烏騅を部屋の中に引きずり込んだ。