東方疑異伝
「できたわ。 多分これであってるはず…」
レミリアは退屈そうに、パチュリーは本と見比べながら自らが描いた魔法陣を見下ろす。
「・・・レミィ、始めてもいい?」
「えぇ大丈夫よ」
レミリアは魔法陣から少し離れる、と同時にパチュリーはブツブツと早口で何かを呟くと魔方陣が眩しく輝き始めた。
「……っ!? パチェ、なんか様子がおかしくない?」
「あぁ…失敗…かも」
「・・・嘘でしょ?!」
レミリアが叫ぶと同時に魔方陣が爆発を起こし、図書館内が煙に包まれた。
煙が晴れたときには人が一人、倒れていた。
服装は薄手の男物だが、顔は中性な人である。
「……誰? パチェ知ってる?」
「知らないわよ。 ……服装からして多分外の人だと思うけれど」
「そういえば前にも来ていたわね。 あいつは霊夢が戻したんだっけ?」
「まぁそんなことは今はどうでもいいわね。 ……とりあえず、ほらあんた起きなさい」
パチュリー揺さぶったが、返事がない、ただ気絶中のようだ。
しばらく揺さぶっているとその人は小さく声を発して目を覚ます。