二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

東方疑異伝

INDEX|6ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 


「? 何言ってるかわかんねぇが………いきなり剣持って相手しろとか『馬鹿』か?」


 その瞬間、レミリアの中で何かがキレた。


「っ……いけない…レミィ!」


 パチュリーはそのことにいち早く気づき、図書館の本と自分のまわりに防御の魔法を慌ててかけ、部屋の隅に向かって走る。


「馬鹿? この…私に向かって馬鹿ですって…・・・私を………舐めるのもいい加減にしなさい!」


 レミリアは自分の周囲に弾を浮ばせ、『彼女』に次々と投げつける。


「…っ!?」


 彼女は本棚の影にとっさによける。


 刹那、彼女がいた場所には轟音と共に小さなクレーターが生じていた。



「っ!! おいおいおいおい、なんなんだこりゃ」


 『彼女』はできたばかりの小さなクレーターを眺める。


「あらあら? よそ見していて……いいのかしら?」


 いつの間にかレミリアは、『彼女』の後ろで弾をまわりに浮かべてクスクス笑っていた。


「!? いつの間に…」


「くすくすくす…小便はすませたかしら? 神様にお祈りは? 私に追い回され、果てに部屋のスミでガタガタ震えて命ごいする心の準備はOK? ふふっ……」


 威嚇程度のつもりで撃ったであろうレミリアの弾のいくつかが『彼女』の足を血の線を引きながら通り過ぎる。


「い…っ……な…な…?!」


 突然の足の痛みに耐えられず、彼女はしゃがみこむ。


「さあ・・・・・・どうしたの? まだ足に少しかすり傷を負っただけよ! かかってきなさい! 能力を出しなさい! 弾幕を形成しなさい!足に布を巻いてでも立ち上がりなさい! そこにある武器を取って反撃しなさい! さあ夜はこれから! お楽しみはこれからよ! ハリー!ハリーハリー! ハリーハリーハリー!」

 まるで某機関の吸血鬼である。

<次ページ>

 しゃがみこむ彼女の側には手頃な剣が飾ってあったが、『彼女』は剣は取らずに自分の服の腕部分を破いて足に巻き、歯を食いしばりながら立ち上がる。


「面白い冗談じゃない……なぜ剣を取らないの?」


「っ……何言ってんだかわかんねぇよ。 いきなり剣持って戦えだとか、弾幕だせとか意味わかんねぇよ!」



「クッ…アハハハハノヽノヽノヽノ \ / \/ \! 貴女本当に面白いわね? クスクス………そうねぇ…まずは5分のチャンスをあげるわ」


「?」


「ぶち殺すのは至極簡単よ。 だけどそれじゃあ私の気は晴れない・・・・・・だから」


 弾が『彼女』目掛けて飛んで行く。


 その弾の着弾を待たずにレミリアは次々と弾幕を打ち出すが、彼女も間一髪のところをスレスレで避ける。


「いたぶってあげるから、殺されないように努力なさい!」


「くっ……いったいなんの悪夢だよこれは……」


 『彼女』は悪態をつきながらも迫り来る弾幕を避ける。


 その度に髪の一部は焦げ、肌には赤い線が引かれて紅い水が滴り落ち、服がボロボロになる。


「アハハハハハハハハ…楽しい、楽しいわ。 なんで怒っていたのかを忘れるぐらいにねぇ!!」


 レミリアは必死に弾幕を避ける『彼女』の姿に楽しさを覚えていた。


 (どうやったらあいつに当てられるの?)


 (どうやったらあいつが屈伏するの?)


 (どうやったらあいつは壊れるの!!)


「くっ…しまった…逃げ場が…」


 『彼女』は避けるのに無我夢中で、図書館の本棚の袋小路部分に逃げてしまった。


「まだ3分よ? これで終わりではないでしょ? さぁ…貴女の意地を見せてみなさい! 私をもっと楽しませなさいよぉ!」


 レミリアは大量の弾幕を彼女目掛けて撃つ。


 避けられる隙間は存在するが、空でも飛ばなければ不可能なほどの弾幕である。


作品名:東方疑異伝 作家名:ポポ