東方疑異伝
『彼女』は両手を前に出し弾がくるのを待つ。
「あらあら? それで防御のつもり?」
それを見たレミリアがあざ笑うかのように言ったと同時に、『彼女』に弾のシャワーが浴びせられる。
「……ちょっとやりすぎちゃったかしら?」
あたり一面が煙に包まれる。
「ちょっとどころの騒ぎじゃないわよ! ここを壊さないでよ!」
パチュリーの叫び声と咳き込む声が部屋の隅で声をあがる。
「あぁごめんなさいねパチェ。 でもまぁいいわ、結局彼女が何者かわからなか……えっ?」
煙が晴れたところには新たに血の線をいくつも体に刻みながらも『彼女』が立っていた。
「ぜぃ…ぜぃ…ぜぃ……」
だが力尽きたのか、荒い息を数回すると彼女は地面に倒れ込んだ。