東方疑異伝
「レ……ア…嬢…ま! 探……………いと思ったら…………に!」
声が聞こえる。
少し大人みたいな声。
「あ……夜…お…は入………かしら?」
「は……テ…スの…に…と………この図…館の崩………りはな…です?」
なにを話しているのか聞き取れない。
体が痛く、そして火の中にいれられたように熱い。
「ち………とい……ろあ……ね……それ………夜……………る男……か空……屋に………治…をし……い…私……茶を飲ん……るわ」
彼女の頭の中が真っ白くなってきた。
「ちょ……お嬢…ま………誰か……い!?」
先ほどまで彼女の体は酷く熱かったが、今度は凍える程に寒い。
「うっ……これは………酷い……ね……担架…早く!! ……あと……亭から……た……薬も…出して………さい」
体が持ち上がり、何かに乗せられた感覚がした。
と同時に眠気に襲われ彼女の意識は薄れていった。
<2章=雇用>
退屈なのは飽きた
動かないものを見るのはもう飽きた
動かないなら動かしましょう?
鳴かないホトトギスは鳴かせましょう