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のび出木

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二人で何かを競い合っているかの様に出し合っていた話のネタもとうとう切れ、そのあとは終始無言が続いた。頭の中では
出木杉くんもなんとも言えない表情をしながら、ただ無言に物凄いペースで真っ赤になるまで酒を飲み続けていた。僕も何杯も飲み続けた。
体内にアルコールが回り、徐々に身体が火照り始め、意に反して行動も思考も大胆になる。
僕は出木杉くんを窺いつつネクタイを緩めワイシャツのボタンを一つ開けた。
出木杉くんの反応を期待したが、視線はじっとコップに向けられているままだ。
酔いがまわり紅潮している出木杉くんの頬と項にへと視線を移す。すごく綺麗だ。
恋人はいるのかな。

「これで最後にしようかな…」出木杉くんが瓶に手を伸ばした。
出木杉くんの白い腕
「いれるよ」
「じゃあ、お願いするよ」
差し出されたコップに酒を注ぎ足し、不自然に思われないように彼に十分に接近し、シャンプーの香りと出木杉くんの匂いとが混じり合った芳香を思い切り鼻で吸い込んだ。
かいだことのある香り。自分の中で何かが弾けた

「出木杉くん、」
僕は出木杉くんの肩を触れるように軽く抱きながら、耳元で囁いた。

「昔みたいにもう一回してみてよ」

出木杉くんの身体がぴくっと反応した。
「なんだよいきなり…」
僕はこの人の敏感な部位を知り尽くしている。
耳、項、肩甲骨…
項に触れている指をそのまま肩甲骨に沿って這わせてしまえば、それだけでなってしまいそうなくらい出木杉くんは感じるんだ。

首筋を指でなぞると、出木杉くんが息を呑んで体を少しくねらせた。
「のび君なにやって…」
その反応が嬉しくて僕は指を下へとゆっくり滑らせた。 

僕の指が肩甲骨に到達する前に出木杉くんが僕の腕を掴み、それ以上触るのを許さなかった。
「嫌だなあ、のび太くん。あんなのただの…」
出木杉くんは浮かべる微笑に反し、僕の腕を掴む手に力を込めていた。
出木杉くんは僕の腕を払うと軽くあしらって座り直し、冷たい視線を投げかけながら小さな声で言った。
「俺はもう何とも思っていない。君もそうだろ?」

同調を求める言葉は、反論を赦さない厳しさと冷ややかさを含んでいた。
感情的にものを言った所で、自分の愚かさを露呈する結果にしかならない。
酔ったことをいいことに出木杉くんをもてあそびたいという願望に忠実になったが、それが叶わなかったことが腹立たしく感じた。自分のしたことも恥ずかしくて仕方が無い。

「はんっ!当たり前じゃないか!」
僕は相手を思い切り見下したふうな口調で言い、出木杉くんの手から解放された腕を素早く戻して残りの酒を一気に飲み干した。
自然と手に力が入りコップを戻す時に音が響き僕は注目を浴びた。
「もう一杯どうだい」と瓶を持ちながら尋ねてきた出木杉くんが嘲笑してるように見えた。形勢逆転だ、と出木杉くんは思っているのか?僕はこの場から一刻も早く消え去りたい気分になった。

(くそっ。出木杉くんなんて・・出木杉くんなんて・・・)

出木杉くんの何の汚れも知らないようなまっすぐな瞳が僕を見据え、劣情に駆られた者には居場所がないんだ、ということを暗に示されているようだった。
あの時の潤んだ瞳は。僕の名前を何度も呼んだ口は。あんなにいやらしかったのはどこの…
「いや、遠慮しとくよ」
僕は席を立ち、しずかちゃん達の居るテーブルへと向かった。 


作品名:のび出木 作家名:だが