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こらぼでほすと 拾得物3

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 プラントに残っているエターナルを降ろすか、あちらで係留しておくか、を、虎と鷹とアスランで打ち合わせることになっていた。すぐに降ろす必要はないのだが、メンテナンスの加減があるので、三ヶ月以内には降ろすことになっている。だから、ティエリアたちの進行状況如何で、虎たちも一旦、地上へ降りてしまおうかと考えていたのだ。二ヶ月以上かかるなら、休養も兼ねて、地上へ、と、アスランたちは考えている。

「三蔵さん、明日、マイスター無事生還記念パーティーパートツウを、こちらでやりますので境内を貸してくださいませね。」

 前回パートワンは別荘でやったので。三蔵は不参加だった。だから、こちらでやるつもりらしい。

「境内? 花見は終わったぞ? 暗黒歌姫。」
「ええ、花見は終わりましたけど、ちょうど良い気候ですから、ピクニック気分で宴会を。」
「それでね、ママにランチボックスしてもらおうと思ってさ。」
「いえ、他の方々の分は、ちゃんとデリバリーいたします。私くしとキラと悟空と刹那の分だけ、ママの手作りです。」

 この季節なら、暑くもなく寒くもなく外で食事するには、いい季節だ。店が休止状態だから、スタッフも、どこかのんびりしていて、ついつい、宴会ちっくな集まりを催したくなるらしい。

 そこへ、ようやく、ニールたちが戻ってきた。刹那は、開口一番、「俺のおかんが世話になっている。ライル、ニールの亭主の三蔵さんだ。」 と、言い出した。

「だから、イヤだったんですよ。こいつ、ストレートにしか喋らないから、呼ばないで、って俺は言ったのに。」

 よよよっとニールは泣き崩れる真似をしているが、三蔵は動揺する素振りもない。

「事実だからいいじゃねぇーか。ちび、おまえも無事で何よりだ。それから、寺で不埒なことは禁止だ。やりたかったら、マンションへ帰れ。いいな? 」
「了解した。」
「へえー兄さん、面食いなんだなあ、すっごい美人だ。初めまして、ニールの弟でライルです。よろしく、義兄さん。・・・・・・よおう、キラ。・・・あれ?」

 居間の入り口で挨拶するライルは、そこに、とんでもない顔を見つけてしまった。

「お初にお目にかかります、ライルさん。ラクス・クラインと申します。ニールは、私のママでもございますの。ほほほほほ。」
「ラクスもからかわないの。あのな、ラクスは冗談で、そう言うんだよ。この子も天涯孤独の身の上でさ。だから、妹みたいなもんなんだ。それから、俺の親代わりしてくれてるトダカさん。いろいろと世話になってるんだ。」

 すっかり『吉祥富貴』に溶け込んでいるニールは、何の気になしに紹介しているが、実は、天下の歌姫様だ。

「あの、あの、サインもらってもいいですか? 知り合いのイケダってのが、あなたの大ファンなんですっっ。」

 たった一人だけ一般人の反応をするライルに、生温い目を向ける三蔵は、おい、と、視線でニールを動かす。すぐに、ほうじ茶が用意される。

「カタロンで、私の歌を聞いてくださる方がいらっしゃるんですね。ええ、ええ、サインなら、いくらでも。・・・・・・うふふふふふ・・・・うっかりしてましたわ、ママ。」
「あー俺も忘れてたよ。宇宙一有名な歌姫だもんな・・・おまえさんたち、今夜はどうするんだ? トダカさんは召し上がりますよね? 」
「ああ、頼むよ。」
「私くしも、こちらでいただきます。それから、明日、境内でブランチをご一緒しましょうね? ライルさん。ママ、私くしとキラと悟空と刹那は、ママ特製ランチボックスを希望です。」
「はいはい、簡単なヤツな。」
「チューリップが食べたい。それと、おにぎりは絶対だよっっ。」

 というような会話を聞いて、ライルは、横でほうじ茶を飲んでいる三蔵に声を掛けた。本当に奥さんというに相応しいことになっているからだ。

「あの、お義兄さん。」
「なんだ?  義弟。」
「うちの兄さんって、本当に、ここで家政夫やってるんですか? 」
「ああ、ここ五年くらいはそうだ。言っとくが、俺もママも、ノンケだからやっちゃいないからな。」

 それぐらいが労働として妥当だったのもあるし、悟空と三蔵の世話で、子猫たちの不在を誤魔化していたというのもある。親猫には、とりあえず、甘えろ、とばかりに、年少組が、総出で甘えているから、こういうことになっている。

「え? 」
「子離れされて寂しいものの集まりなんだよ。」

 トダカが、それに横から声をかける。

「あんたは手放さないつもりだろ? 娘はな。」
「はははは・・・・まあね。」

 トダカも似たようなものだから、ニールを滞在させたがる。ライルは刹那と共に、組織で働くから、こういう気持ちは判らないだろうと、トダカは内心で思っている。無力になった自分ができることをやっているニールと、刹那と一緒に行けるライルとでは、まったく立場が違うからだ。それがわかっているから、刹那は、先にニールのところへ降りて来た。

「ライルくん、ニールは、きみらと行動はできない。ここで、待っていて居場所になることしかできないから、刹那君は、先に戻ってきたんだ。それは判ってやってくれ。」
「・・・あ・・・ええ・・・・その・・・兄さんは、そんなに悪いんですか?」
「そのうち治療法が確率されたら問題はないんだが、まだ、少しね。」

 話は纏まったらしい。すると、刹那が、またニールの腕を掴んで、どこかへ連行しようとしている。その背後から、ペットボトルを手にしたキラと、何かの錠剤を手にした歌姫もついていく。昼寝をしてないというので、寝かせるために脇部屋へ移動したらしい。



 ちょうど、その一行が脇部屋に消えた頃に、悟空が帰宅した。ライルを、ぱっと見て、「おやつは? 」 と、口を開いた。

「へ? 」
「俺のオヤツ。」
「はあ? 」

 くくくくくくくく・・・・と、笑いをこらえている三蔵とトダカが、手を横にふっている。わかりやすい間違いだ。

「・・・・サル・・・それは・・・ママじゃねぇー・・・・・ライルの・・・ほう・・だ・・・」
「ああああああああーーーーーうわぁーそっくりさん大集合かと思ったぜ。じゃあ、ママは? 昼寝か? 」
「ああ、刹那たちが監視してる。冷蔵庫に何か入ってないか? 昼に用意してたぞ。」

 おお、っと、悟空も納得すると冷蔵庫へ走る。そろそろアカデミー入学年齢になっても、悟空の大食漢は、そのままだ。もちろん、弁当も毎日、持って行っている。

「あははは・・・兄さん、ほんとにママなんだな? 」
「あれが、俺の連れ子だ。あいつの連れ子が刹那だな。」
「えーっと、ということは、俺、兄さんの子供と結婚したわけ? うわぁー禁忌の恋っぽい。えへへへへへ。」

 なるほど、刹那とティエリアがあほライルと呼んでいるのが、よくわかった、と、三蔵とトダカは、うんうんと頷いていたりする。



 夜の食事が終わると、キラたちは帰った。刹那たちは、どうする? と、悟空に言われて、刹那が泊まると返事する。

「今日は、ニールと寝る。おまえも来るか? ライル」
「はい? 」
作品名:こらぼでほすと 拾得物3 作家名:篠義