【カイハク】死が二人を分かつまで
翌日、ハクは早足で、待ち合わせの場所に向かう。
まだ早いけれど・・・・・・待たせてしまうのは悪いから。
だが、カイトは更に早く着いていたようで、笑顔でハクを待っていた。
ハクは慌ててカイトに駆け寄ると、
「す、すみませんっ。お待たせしてしまって」
「いいえ、気にしないで下さい。僕が早すぎただけですから」
待ち遠しくて早く来てしまいましたと笑うカイトに、ハクは俯いて頬を染める。
「あ、あのっ、少し、歩きましょうか」
「そうですね」
公園の中、散策する人々に混じって、歩き出した。
そうは言っても、ジェード以外の異性と出歩くなど初めてのことで、ハクは何をどうすればいいか分からず、おろおろとカイトの横に並んでみたり、後ろから着いていったりと、落ち着かない。
「ハクさん」
「は、はいっ!」
カイトは立ち止まると、ハクに微笑みかけ、
「ハクさんのマスターにお会いしたいです」
「え?あっ、あの、マスターは、その、研究がお忙しいので、あの、難しいかも・・・・・・」
ジェードはきっと嫌がるだろうと思い、ハクが言い淀むと、
「今のマスターではなく、貴女の本来のマスターですよ」
そう言われて、ハッとしてカイトを見た。
カイトはにこにこと笑いながら、
「この辺りに花屋はありますか?どのような花がお好きでしたでしょうか」
「あ、あの、向こうに一軒。え、ええと、明るい色がお好きでした」
「一緒に選んで下さいますか?」
「あ、は、はい」
おろおろしながら、ハクはカイトを案内する。
作品名:【カイハク】死が二人を分かつまで 作家名:シャオ