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こらぼでほすと 拾得物6

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 ニールのほうも、それはわかっていたので、そう命じる。歌姫様は、同じ髪の色のフェルトと仲が良い。時間があれば、あっちこっち遊びに行くだろう。ついでに、マイスター組も、ご相伴に預かればいいだろうと思っていた。

「やらぁーーっっ。おりぃは、にーるのかんびょーをしゅるっっ。」

 もう、あの着せ替えはイヤだ、と、ニールにしがみついているが、どう考えても、それがメインイベントになるのは、その他のモノにはわかる。こんな楽しいことを、歌姫が見逃すはずはないし、フェルトにも受けるだろうからだ。

「ティエリア、すまないが、おまえは外出確定だ。たぶん、刹那、おまえもだ。つまり、必然的に全員がフェルトと外出することになるわけさ。・・・・・ママのほうは、俺が見ているから心配ないぞ。」
「ハイネ、それは、サボりっていうのと同意義なんじゃねぇーのか? 」

 別に、ニールは寝込んでいるだけだから、話相手が必要なわけでもないし、看護は看護師がしてくれる。本当に見ているだけなら、必要とは言いがたい。それを指摘したら、ハイネは、へへへへへと笑って誤魔化している。

「たまには、のんびりしようぜ? 旦那がいないとこで、間男と遊ぶっていうことでさ。」
「俺は、明後日なんて目も醒まさねぇーよ。・・・・・遊びたきゃ、どっかへ遠征しろ。」

 今そこまでの気持ちがないんだよねぇー、と、へらへらとハイネは手を振って居間を出て行った。

 それを見送っていると、膝の重みが一瞬なくなって、それから、倍以上に増した。刹那が、ティエリアを持ち上げてアレルヤに投げ、それから自分が座っている。

「刹那くん? 」
「おまえだけのおかんじゃない。勝手に独占するな、ティエリア。」

 長時間、お膝で抱っこだったティエリアに、痺れが切れたらしい。

「しぇちゅにゃーーーーーああああああ、おりぃは、きょう、ついたばきゃりだじょっっ。はれるや、あれをせんめぇちゅしろっっ。」

 物騒なことをぼざいているティエリアに、ハレルヤが、「はいよ。」 と、チェンジした。ティエリアをソファに座らせて立ち上がる。

「重いだろ? 黒猫。おかんが潰れたら、どう弁償してくれんだよ? 」

・・・・・ツッコミどころは、そこじゃないと思うよ? ハレルヤ・・・・・・

 内で、アレルヤがツッコんでいるが、ハレルヤはスルーだ。刹那を持ち上げると、ライルに投げつける。そして、ぎゅっと、ニールにしがみついた。

「俺だけ、『おかえり』がなかったぞ? じじい。」
「おかえり、ハレルヤ。・・・・・おまえのほうが重いんだが? そこは、スルーか? 」
「うるせぇー、おまえが、俺に労いの言葉をかけねぇーからだろ? 」
「悪かったよ。・・・・・みんな、無事でよかった。結構、堪えた。」

 ふう、と、息を吐いてニールが、本音を吐き出した。戦況が思わしくないことが続いて、精神的に辛かった。ようやく、全員の顔が揃ったら、気が抜けてしまったのか、ぽろりと本音を零したのだ。地上でマイスターたちの生き様を見守るという罰は、ニールには厳しいものだった。何度、亭主に九割殺しにしてくれ、と、頼みそうになったかわからない。だが、医療ポッドに叩き込まれている間に、何かあったらどうにもならないから歯を食いしばって耐えたのだ。全員の顔が、ここに揃っているというだけで、罰を受け終えたのだと感じられる。

「にーる、にーるぅー。」

 自力でソファを降りてティエリアも、その足にしがみつく。ライルが、刹那を担いでソファの背後に移動して両側から抱きついた。

「おかえり、刹那、ライル、アレルヤ、ハレルヤ、ティエリア。・・・・・本当に生きててくれて、ありがとう。」
「ただいま、ニール。待っててくれて、ありがとう。僕らも、逢えて嬉しい。」
「にーるぅー、ただいまあー。おりぃもうれしいー。」
「ただいま、兄さん。」
「ただいま、ニール。約束を果せた。これからも、よろしく頼む。」

 それぞれが、返事をすると、ニールは嬉しそうに頬を緩めた。この言葉が何よりのものだ。



 翌日から、ぐったりと親猫はベッドに伸びている。その横に、ちょこんと座ったティエリアと、ベッドの端に座っている刹那がいる。いつものことだから、気にすんな、と、親猫は言うのだが、それで聞き分けて離れてくれるわけではない。

 そして、いつものことだからとティエリアに言われたアレルヤは気にせず、居間のソファで雑誌を捲っているし、相手をしてくれないダーリンに腹を立てて、ライルはラボのトレーニングルームへ赴いている。

「三日だけ、フェルトの相手してくれ。・・・・あんま、こういう情けないのは見せたくないんだ。頼むな? 」

 梅雨時分は、刹那とティエリアが降りていたので、フェルトが、この姿を見たのは、一度きりだ。それからは、ニールと寺や、歌姫の本宅で、のんびり遊んでいた。

「・・・・・しょうがないな。」
「わきゃっていりゅ。」

 まあ、ふたりも、親猫の言い分はわかるので、大人しく頷く。特区のほうで、フェルトと過ごすぐらいは、訳も造作もない。歌姫も参戦するだろうし、キラが嬉々として、あっちこっち案内してくれるのは目に見えているからだ。

 寝室の扉は開いていて、そこから、アレルヤと鷹、ハイネがやってきた。虎からの報告で、鷹は、その実態を拝みに来たらしい。

「ありゃりゃ、ほんと、小さいんだなあ。これじゃあ、お兄さん、愛を囁けないぞ? ティエリア。」

 いや、囁かんでいいから、と、ハイネが律儀にツッコミをいれる。

「もどきは? 」
「トレーニングルームです。ハイネ、もどきはやめてあげてください。凹みます。」

 じゃあ、呼び戻すか、と、居間のほうの内線へハイネは戻る。鷹が、ティエリアを抱き上げようとするのは、刹那が、きっしゃあーーーっっと威嚇して阻止した。

「見物ですか? 鷹さん。」
「それもあるが、こいつらを本宅へ連れて行くのに来たんだ。そろそろ、到着するんでな。・・・・・あっちで、ピンクの子猫ちゃんのおもてなしは、俺たちでしておくから、おまえさんは寝てなさいね、ママ。」
「すいません、お願いします。・・・・・おまえら、用意して鷹さんと行け。」

 ほら、動け、と、親猫が命じると、不満たらたらの顔で、黒猫は紫子猫を抱き上げてベッドから降りる。

「にぃーるぅ、だいじょうぶきゃ?」
「ああ、なんともないよ。ティエリア、ちょっと我慢だが、あんまりなら拒否していいからな。アレルヤ、ハレルヤ、止めてやってくれよ?」

 遊ばれること確定だが、無理強いが酷かったら暴れても良い、と、ニールは許可した。いくらなんでも、コスプレチックなものは止めて欲しい。

「了解。あんまりご無体なことは止めるね。じゃあ、行ってきます。」

 刹那の腕から、ティエリアを抱き上げて、アレルヤが声をかける。三日ほどで回復するというので、その間は、フェルトの相手だ。

作品名:こらぼでほすと 拾得物6 作家名:篠義