階段のその先は
それからも俺は俺は毎日、放課後あの階段へ向かった。
でも、そこには誰も居ない。ゾロが居ない。
俺は『ゾロ』という生徒について調べた。
ゾロは確かにこの学校の生徒だった。
3年で俺の2年先輩。
だが、この学校へは一度も来ていない。ずっと入院しているというのだ。
俺はもちろんその病院へと向かった。
だが、病室の前まで行って、扉を開けることが出来なかった。
『俺を信じろ。』
そこにきてやっとゾロの言った言葉を思い出したから。
ゾロはきっとここで俺と出会うことは望んでいない。
俺と会う場所なんてあそこしか無いから。
それからの日々は早送りのように過ぎていった。
でも、そう感じられたのはきっと今日があったから。
それまでは確か・・・なんて長いんだろうと感じていたはずだ――
はぁっ・・・・はぁっ・・・・・はぁはぁはぁ・・
「息、上がりすぎ。」
「・・・・るせ。」
「遅すぎ。」
「・・・・悪ぃ。」
「ゾロ・・・・っ・・・・!!!!!」
俺は半分のところまで来たゾロに抱きついた。
全部上ってくるのを待つつもりだったのに・・・
俺を受け止めようとはしたものの、ゾロは無様に尻餅をついた。
「お前まじで筋力無さすぎ。」
「何年も寝てたんだ。しょうがねぇだろ。」
「まっそれもそうか。」
「お前マジで信じてたか?」
「・・・・おうよ。」
「じゃあ何だそのだせぇ泣き顔。」
「・・・これは嬉し泣きだ。」
「ほぅー、」
「お前が遅すぎるんだよ!!!
お前のせいで、俺は完全に霊感少年キャラだし、
お前のせいで、彼女は作れないし、お前が遅いから2年になっちまっ―――
「悪かった。」
「・・会いたかった。」
「あぁ、俺もだ。」
「ゾロ、好きだぜ。」
その後、霊感少年はホモ少年へと変わった。
ゾロは1年からやり直しとなり、最後の3年は一人寂しい1年となった。
だが、二人の時間は増えた。
あの階段だけが特別な場所では無くなった。
「まさかお前の髪が緑だとはな。」
「お前の眉毛がそんなんだとはな。」
「マリモ。」
「ぐる眉。」
「くそマリモーーーー!!!!!!」
「くそぐる眉毛ーーーー!!!!!!」
「こんの野郎ちゅーするぞ!!!!!」
「おう良いぜ。してみろ、出来んのか?」
「なっ・・・・・・///」
あははは冗談だっ
このアホマリモっ
・・するか?
・・しろ。
・・ったく、
・・・・・・・・・・・・-――///
end