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こらぼでほすと 拾得物9

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 夕刻から始まったそうめん流しと、花火大会は大盛況だった。一夜明けると、境内は、かなりすごいことになっていた。さすがに、それから片付けるなんていうのは無理だったからだ。竹だけは、バラして片付けたが、それ以外は、そのまんまだ。

「うわぁーこれはすごいことになってるなあ。」

 朝から境内の光景を眺めて、やれやれと、ニールが掃除を開始する。もちろん、マイスター組と悟空も手伝っているが、すぐに、トダカとカガリの親衛隊たちがやってきて、さくさくと片付けてくれた。

「片付けに来なかったのは、シンとレイとキラとアスラン、それからカガリとラクスか・・・・あいつらは、罰だな。」

 ちゃんと後片付けまでしろ、と、命じていたのだが、来なかったので、ニールは後日、きっちりと叱るつもりだ。

 しかし、午後から、ちゃんと、顔を出したので、境内の草むしりを命じて、罰にした。全員が、真夏の直射日光の中で、一通りの掃除を終えると、ニールが冷たいものを用意して労ったのは言うまでもない。




 さて、エターナルは無事に降下した。オーヴのファクトリーへ降りたので、昨夜、そうめん流しに参加しなかったものは、そちらに出迎えに出張っている。

「お疲れさん、アイシャとゆっくりしてくれ。こっちの指揮は、俺がやるからさ。」

 無事に降下してきた虎たちを労って、鷹が整備の責任者として入れ替わる。今度、宇宙に上がる時は、鷹とハイネが担当するのだ。

「はじめまして、ようこそ、いらっしゃいました。」

「はじめまして。」

「いや、お噂はかねがねですけどねぇ。」

 そして、今回、初めて、特区に降りてきた歌姫様のスタッフを出迎えたのは、悟浄と八戒だ。オーヴから、特区へ案内して、あうちらで、マイスターたちと顔合わせするまでの案内役を申し付かっている。

「ねぇー悟浄さん、フェルトも、こっちに来ているってほんと? 」

「ああ、ニールんとこにいるよ。あんたを見たら、びっくりするんじゃねぇーか? 」

「まあ、そうよね。あたしも、自分でびっくりだったし。」

 歌姫様は、拾い物が好きだ。いろんなものを、ついでに拾っている。それで、拾得物は私くしのものです、と、自分のスタッフに加えてしまうので、歌姫個人のスタッフも、かなり充実していたりする。

「とりあえず、一休みして移動しましょう。みなさん、喜ばれると思います。」

 さあ、と、八戒が案内して、ファクトリーから自家用機に乗り換える手配をする。いろいろと付属物が多いので、今すぐとはいかない。

「ニールは、どうなんだ? 八戒。」

「元気にしてますよ、虎さん。いつもより元気です。」

「なら、よかった。」

 梅雨明けは、いつもはぐったりしていることが多いのだが、今回ばかりは、すぐに復活したと聞いて、虎も大笑いする。

「そりゃ、虎さん。ちびたちが一斉に戻って来たからな。ママニャンも寝込んでられないって。」

「まあ、この暑さだから注意はしてほしいんだがなあ。ママ、限度を考えないからな。」

 悟浄と鷹の報告に、はい? と、一緒に降りてきたスタッフも首を傾げている。そりゃそうだろう。組織に居た時も、確かに、そういうことをしていたが、その愛称ではなかったからだ。

「ああ、忘れてた。あいつ、コードネームを弟に譲ったから、今は、ニール・ディランディって本名なんだ。うちでは、保父さんとか家政夫をやってるからな。」

「保父? ロックオンが? 」

「ああ、ちょうどいいんじゃないですか? たぶん、手伝ってくれますよ。」

 素っ頓狂な声をあげたら、付属物がぴーっと泣き出した。あらあらと、そちらを宥めるために、ちょっと席を離れるスタッフを見送って、八戒が苦笑する。まさか、あの騒ぎの時に、ちゃんと拾っていたとは思わなかった。

「で、やっこさんは元気か? 」

「影響はありますが、うちのドクターが、どうにか管理してくれています。」

「カルテは見せてもらったけど、よく生きてたと感心したよ。」

 いや、私もだがね、と、スタッフと一緒に降りてきたドクターも苦笑する。パイロットのリヒティの身体が特殊なので、そちらの治療に専念してもらっていて、組織のほうには連絡していなかった。連絡してなかったから、イアンに張り飛ばされた、と、笑っている。拾ってから、随分長く、ドクターも再生治療していたので、連絡できなかったのだ。ようやく、今回、そちらと連絡して、この降下の前に顔を合わせてきた。

「それで、どうされるんですか? 」

「しばらくは、リヒティたちとプラントに居ることにしたよ。リヒティのカルテを引き継げるようになったら戻るつもりだ。」

「そうですか。それなら、マイスターたちも喜ぶでしょうね。」

 のんびりと、そんな会話をしていたら、リヒティたちが戻って来た。寝ているから、今のうちに移動しましょう、と、言うので、慌てて、自家用機のほうへ案内する。



 今夜は、本宅にいらしてください、と、マイスター組とフェルト、ニールに歌姫から召集がかかった。逢わせたい人がいらっしゃいます、と、言われたら、誰? と、尋ねたくなるのが人情だ。だが、歌姫は答えない。ニコニコ笑っているだけだ。

「なじぇこたえにゃい? りぃやくしゅくりゃいん。」

「今夜のお楽しみですわ。・・・・・それから、アレルヤ、あなたは、明日、出発ですから、そのつもりで。」

 歌姫のAEU行きに同伴する形で、アレルヤはセルゲイのところへ見舞いに行く。その間は、ティェリアの世話はニールの担当ということになっている。

「はい、お願いします。ニール、ティエリアのこと頼むね? 」

「ああ、そっちは任せとけ。」

 小さくなっているティエリアは、いつものように動けないから、誰かが補助してやることになる。それは、おかんであるニールが適任だろうと、全員が思っている。

 で、さらに、育児参加で、おかんが忙しくなるなんてことは、その時、誰も考えていなかった。



 歌姫様の本宅へ移動して、居間に案内された。そこには、ニールとライル以外には驚くべき人間が居た。案内だけすると、歌姫は部屋を出た。まずは、組織の人間だけで、ということらしい。

「クリスっっ。」

「ハァーイ、フェルト。久しぶり。」

「リヒティ? 」

「あははは・・・足はあるんすよ?」

「ドクターモレノ? 」

「やあ、以下同文。」

 トレミーと共に亡くなったと聞かされている組織のメンバーが、ニコニコしていたら、誰だって驚くだろう。で、ついでに、クリスとリヒティの腕にあるおくるみの中身も気になる。フェルトが、クリスの腕の中を覗き込んだら小さな赤ん坊が、すやすやと眠っている。

「えへへへへ・・・・出来ちゃった婚でね。」

「「はい?」」

「あーまーいろいろとあったんすよ? 俺らも。それで、まあ、結果的にこうなっちゃって・・・・・ははははは。」

「えーっと、つまり、リヒティとクリスが結婚して、子供が出来たってこと? 」

「そういうことっす。」

「でも、アレルヤも、子供作ったんだね? ティエリアって、女の子だったんだ。」
作品名:こらぼでほすと 拾得物9 作家名:篠義