情人好2
寮に着き、自分の部屋に戻ろうと中に入ったら一番苦手な人の声が聞こえてくる
「あれ〜?耀君?」
「……ブラギンスキ…」
「こんにちは。…そんな怖い顔しないでよ」
「…生憎、我はもともとこんな感じある。」
「………そう」
イヴァン・ブラギンスキだ。何を考えているのかよく分からないので、耀は苦手としている。うっかり気を抜くとこちらの考えや気持ちなどを全部見抜きそうだからだ。
「…ねぇ」
彼は突如口を開いた。
「…なにあるか」
「その花束…アーサー君にあげるの?」
「!!…お前には関係ねーある!誰に渡そうが我の勝手ある!」
「……そうだね。…うまくいくといいね。じゃあね耀君」
「………再見」
…やはり、彼の考えていることは良く分からない…彼は結局何がしたかったのだろうか…そんなことを思いながら耀は自室に戻ることにした。
イヴァンは先程行われた会話を思い出していた。
―!!…お前に関係ねーある!―
「…関係…大ありなんだけどね…だって僕は………」
…でも、あんなに真っ赤な顔で否定されたら諦めざる負えないじゃない…
「トーリスたちにでもちょっかいかけに行こうっと…でもまあ」
―僕は諦めるつもりはさらさら無いけどね…―
そして彼はフッと笑い、少し黒いオーラを纏いつつトーリスたちの所へ行ったのだった。