【にょたりあ】40の短文描写お題
11から20まで(今回はOとエミリー(アルのにょた)カプ要素を含みます。)
11. 本 菊・63
「二次元に行きたい」
彼の呟きに、私はまたか、と悲しむでもなく呆れていた。
そんな紙の世界のどこが良いのだ。
そこに私はいないのに。
12. 夢 マシュー・65
「本当は僕もヒーローになりたかったんだ」
「ヒロインは?」
そう聞くと、彼はにっこりと笑った。
メイプルの様に甘く、優しげな笑顔だった。
13. 女と女 アリス・63
視線を胸へと向かわせた、はずだったが、そのまま滑る様に爪先まで目線が零れ落ちた。
「まるで断崖絶壁なんだぞ」
「うっさい馬鹿ぁあ」
14. 手紙 学ヘタ・モブ・63
勇んで封を開けると、そこにはLOVEの文字。
一気に萎えた。
私にヒロイン願望はない。放課後の屋上には、悪人退治の時にでも行くとしよう。
15. 信仰 イヴァン・64
「泣いてる子どもを見捨てる訳にいかないんだぞ」
「相手が僕でも?」
ヒーローだからね、という代りに、彼の体をおもいっきり抱きしめた。
16. 遊び イヴァン・65
腰をくねらせて、自身の脚を彼の脚絡ませた。
「何のつもりなのかな」
「だからさっきから言ってるじゃないか。遊ぼうじゃないか、イヴァン」
17. 初体験 モブ・62
「おねいちゃん、ありがとう」
名も知らぬ少女がにっこりっと笑った。
その瞬間、私はヒロインじゃなくて、ヒーローになる事を決めた。
18. 仕事 菊・65
相手がひるんだ。その隙に私はお決まりのセリフを口にした。
「反対意見は認めないんだぞ!」
引きつった笑みを浮かべ、菊はYESと言った。
19. 化粧 アリス・63
コンタクトを外し、化粧を落とす。
鏡に映るには、案外眉の薄い私。そしてどこかあの人に似た顔。
これじゃぁ、髪型を変えた意味がない。
20. 怒り マシュー・63
「今のは君が悪いよ」
怒った顔したマシューが、怒った顔をしながら私の頭に手を乗っけた。
何が起きたのか、暫くの間理解できなかった。
作品名:【にょたりあ】40の短文描写お題 作家名:千米ともち