比翼連理
6. 心ノ行方
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あぁ、遠ざかる光よ、どこにいる?
あぁ、鼓動の叫びよ、届けたまえ!
切ない程に君を想って
この腕が この胸が
大地を越えて心を越えて
大切な者を求めて彷徨う
切ない程に君を想って
この腕が この胸が
凍える程に震える程に
君だけを
春がくれば 夜が明ければ
あの空へ あの場所で
君と約束したはずなのに
奪われた光
闇の奥底に
奪われた光
あぁ取り戻そう
あぁ取り戻すのだ
必ず
必ず
この鎖を断ち切り
神々の王を再び欺いて
冥王に奪われた光を
我が手に取り戻そう……!
誰だ?一体、私に語りかけるのは?
深い眠りの中にいるはずなのに、揺さぶり起こすような魂の叫びが聞こえる。もう、話しかけないでくれ。安らかな眠りを妨げないで欲しい。私は疲れている。そう、疲労困憊だ。
慣れぬ世界に身体は引き裂かれんばかりに軋んでいる。冥王への不可解な想いに心は離散してしまいそうになる。もう、これ以上の負荷に私は耐えられない。
私が私であるために。
私が私として存在するために。
これ以上の負荷は不要だ。だから、もう呼ばないでくれ。私であって私ではない者を揺り起こさないでくれ。私であって私ではない者が目覚めてしまうから。