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Weird sisters story

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Clotho 4




予想と違わず、室内は暗かった。
それに少しだけ安堵し、堅苦しい制服を脱ぎ捨てる。
いつもならきちんとハンガーに掛けるところだが、なんだか落ち着かなくてそれどころではない。
「………おそい」
聞こえた声にハッと振り返る。
シーツに包まり、ベッドで上半身だけ起こしたシンがこちらを睨んでいた。
「起きていたのか」
「何時だと思ってんだよ」
「別にどのような時間に帰ってこようとも関係ないだろう」
「…待ってるって言った」
俄かにレイの眉根が寄せられた。
でも直ぐにいつもの無表情に変わる。
「ちゃんと帰ってきたのだから、それで」
「いやだ」
「シン……」
呟くと、立ち上がったシンに片手を引かれベッドに倒される。
ほとほと呆れた。
たまにこういった、子供のような事をする。
「俺は疲れてるんだ」
「…………」
赤い瞳の険が鋭さを増す。
そっと頬にかかる金糸を払われ、口付けられた。
ゆっくり、何度も。
こうしたキスをする時は、決まって何か不安になった時だ。
仕方がないのだとは思う。
どうしようもないのだから。
小さく息を吐き出して、食んでいた唇がするりと首筋に落ちていく。
「…シン」
制止の意味を込めて呼んだ。
その言葉に反応したのか、シンがそっと瞳を持ち上げこちらを射た。
そのまま、首を伸ばして瞼に口付けられた。
反射的に視界が真っ暗になる。
その闇の中で声だけが響いた。
「ずっと待ってた」
ともすれば泣き出しそうな声音。
僅かに揺れる心の動揺が伝わらないよう、胸と胸の間に腕を差し入れ距離を空けた。
意外に大人しく引き下がる。
レイも半身を起こすと、シンと目線が同じになった。
「レイ…」
か細い声。
いつものシンからは想像も出来ないほど。
「すまない、シン。本当に疲れたんだ」
それから目を逸らす。
その腕が追って来ぬうちにベッドから立ち上がり、逃げた。
シャワールームの扉が閉まると、どっと押し殺していた想いが騒ぎ出す。
指先がカタカタ鳴った。
唇がさっきの感触を覚えている。
心が甘く疼いた。
「シン…」
吐息にも似た言葉。
ギュッと、自分自身の肩を抱いた。





「おはようございます」
「…お、おはよう」
朝、自身がすっぽり埋まってしまうくらいの羽毛のベッドから起き上がり、寝室から出たアスランを迎えたのは豪華な朝食の用意と鼻を擽るコーヒーの香り、そして未だ見慣れぬあの姿。
「随分と早いんだな…」
「ザラ隊長の方こそ。ゆっくりお休みになられましたか?」
「あぁ、わりと…」
椅子を引いて腰掛ける。
直ぐにレイが手前にコーヒーを置いた。
昨日の事を考えてか、レイはずっと立っているのではなく、自分の分のコーヒーも淹れ目の前の椅子に腰掛けた。
「工廠は?随分と静かだな」
「今は編入パーツの組み込みが終わった所ですので、外より中で働いています」
「中か…確か俺の仕事には新型開発も含まれていたな」
「はい、セカンドステージの変形モデルです。ほぼ完成に近いですが、先の大戦にセカンドの規範となったGAT−X303に乗っておられた貴方に、今の状態を見て貰おうと」
「…懐かしい話だな」
「現在はGAT−X102、X103 、X105のダガータイプが量産されている段階です。昔の話と決め付けては勿体無いかと」
感傷でさえ仕事と結びつけるのは流石だ、とアスランは苦笑する。
「君はパイロットだろう?」
「はい」
「機体は?」
「特に特定しておりません」
「…え?」
「私の任は第一独立特兵としての潜入捜査、及び派遣軍としての働きが大きいので、機種を特定すると敵方に不利になりますので」
「まぁ確かに、潜入するに当たって戦闘用MSで行くわけにもいかないな。…前戦には?」
「アラスカ、スエズ、オーブなど、主に主戦となる戦闘には参加します」
「成る程…」
そこまで聞き出すと、アスランはコーヒーに口をつけた。
昨日のうちに好みを尋ねていたから、温度、苦さ共にアスランの好みに確り合わせてあった。
ふと、レイが立ち上がり朝食を運んできた。
やっぱりなメニューに苦い顔をした。そこまで豪勢にしなくてもいいのに、と。
それを一瞥して、アスランは問いかける。
「仕事は何時から?」
「各書面に記された期日以内に収まれば、何時からでも構いません」
「じゃあレイ、これを食べ終わったら少し同行して欲しいところがあるんだが」
意外な提案に、レイは少々驚きつつ是の返事を答えた。


作品名:Weird sisters story 作家名:ハゼロ