2011お年賀公開(reborn)
ビターな君のあまい一言(リボマモ)
好き、そんなの、言わなきゃわかるわけないだろ。
僕を求めるよりも先に、言うことあるでしょ?
僕が君に何を求めてるかわかってるでしょ?
彼氏だったら、それくらいわかれ、馬鹿。
始まりは、僕がリボーンと愛人が歩いているところを発見してからだった。
「なあ」
ずっとこの調子。だけど僕は悪くないもの。
悪いのはリボーンの方なんだから。
絶対に振り向いてあげない。
「なんで怒ってるんだ?」
「怒ってない」
「いや怒ってるだろ」
別に怒ってないし。そもそも君には関係ない。
仮に僕が怒っていたとして、どんな理由であろうと君には関係のないことだろ。
「関係無くねぇだろ。俺とお前は恋人なんだから」
「…それを君が言う?」
僕を恋人という位置にしておくだけで自分はそこにはこない。
これで対等と言えるだろうか?恋人同士と言えるだろうか?
分からない。彼が何を考えているのか全く分からなかった。
「分からなくていいさ。俺が全部教えてやる」
口角を吊り上げて、ニタニタと顔を緩ませている。
その顔が彼の言った言葉の意味を更に深くさせた。
傲慢で僕を見下しているところが気に入らない。
それなのに僕はこんな男が好きなんだ。
自分でも物好きだとは思うよ、うん。
「お前、どこか棘棘しいぞ」
「だとしたら君の所為だろうね」
だからこそ、はっきりさせたいこの男と自分の関係。
「リボーンは僕を、どう思ってる…?」
なのに彼は分かってくれない。
自分のことになると無関心になる。
こんな気持ちが有耶無耶なままの関係を続ける気はない。
嫌なんだ。半端な気持ちで彼の隣に居座っているのが。
一拍置いた間が、なんだか心臓が止まっていたようにも思えた。
たった一言でもいい。僕らの関係を決定打にさせる言葉。
それを君の声で、言葉で聞けたら僕は十分なんだから。
ギュッと目を瞑っていると、不意に体が抱きしめられたことが分かり顔が熱くなった。
「お前は、俺の女だ」
fin.
「不安になるマーモン(RM)」
作品名:2011お年賀公開(reborn) 作家名:煉@切れ痔