2011お年賀公開(reborn)
恋しくて恋しくて仕方ない(ツナ京)
『今日は、お鍋だからきっとツっ君の体も温まるよ』
「お鍋かぁ…楽しみだな」
電話越し、彼女の声と弾む会話に無意識に笑っていた。
今日は早朝から今までずっと隼人に見張られて執務室から出させてもらえなかった。
だけど、今はもう深夜。流石の隼人も今日はもう帰って良いと言ってくれて。
これじゃあどっちがボスだか分からないね、なんて言ったら怒られた。
でもこれで家に帰れると思ったらなんだか急に力が抜けていく。
『ツっ君、少し寝てから帰って来てね』
「え…?」
『きっと疲れてると思うから、少しくらい寝て?』
そう彼女に言われて初めて眠気があることに気づいた。
なんでもお見通しな彼女にはやはり頭は上がらない。
でも今すぐにも家に帰りたい気持ちがあるのも事実。
『私は大丈夫だから、寝てください。ツっ君が帰って来て一番初めに目の下のクマさんにおかえりって言うのは、嫌だよ?』
だけど、彼女には本当叶わない。
いつも自分の数歩先で、物事を見て、考えている。
視野が広い彼女は俺よりも全て包んでいるような気さえする。
電話越し、彼女の声から感じ取った思いを聞いて、また笑う。
「わかったよ。じゃあ、おやすみ」
『うん。おやすみなさい』
fin.
「帰る前に電話をする綱吉(ツナ京)」
作品名:2011お年賀公開(reborn) 作家名:煉@切れ痔