2011お年賀公開(reborn)
心臓被爆(ツナ京)
「好き、です」
言った瞬間、俺たちの周りの木の葉がビュウッと勢いよく舞い上がった。
それは人がいない代わりなのか。それとも言い切った俺への拍手か。
そんな周りも気にならない程に心臓がばくばくしていた。
そんな俺の告白の相手はもちろん、京子ちゃんだ。
「……」
何も言わない、それどころか視線すら合わせてもらえない。
これはもう確実に決定した。振られたのだと確信して、笑った。
「ごめんね京子ちゃん。いきなりで、驚かせちゃったね」
無理もない。一緒の下校中、いきなり立ち止まって告白されたんだ。
しかもその告白をしたのがダメダメの象徴であるこの俺だ。
「本当、ごめん」
結果なんて、初めから分かっていたはずだけど。
やっぱり辛いね。好きな子に振られるのって。
だけどここで立ち止まっていても、駄目なんだ。
「…帰ろっか」
そう言ってトボトボ歩き出した俺はまた立ち止まることになった。
ツナ君っ、と背後から大きな声。京子ちゃんが俺を呼んだんだ。
「ツナ君!」
その声に振り向けば何故か頬を赤くしている京子ちゃん。
そして、パクパクと口を開口させて、俺に向けて放った言葉。
「わた、しも…好きです」
その言葉を聞いて、俺は鞄を道路に落とした。
end.
「告白する話(ツナ京)」
作品名:2011お年賀公開(reborn) 作家名:煉@切れ痔