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2011お年賀公開(reborn)

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だいすき、あいしてる(綱骸)


外では雨が降っていて先程から休むことなく窓を叩いていた。
一方で、すやすやと警戒もせず隣で寝ている彼の、至極幸せそうな寝顔を見つめた。

そして呟く。

「本当に馬鹿な人ですね、君は」

それは別に彼を馬鹿にしての言葉ではない。
ただ、純粋に彼に対しての感想を述べたまで。

穏やかな顔で寝ている彼の頬をふにふにと突けば、柔らかい。
これが成人を迎えた男の肌とは思えないくらいに柔らかい。

「……」

なんだか負けたような気がして突くのを止めた。
そうしてまた彼の寝顔を見つめる。
これといってすることがないからだ。

「どうして貴方はこんな僕が好きなんでしょうね…?」

聞こえるはずもないのに問いかけてしまう。
そんな自分が弱い生き物に見えてしまって、なんだか胸が痒い。

自分が悩んでるにも関わらず未だ眠ったままでいる恋人に軽い溜息を吐くと、いつの間にか下りてきていた彼の前髪を上げて額に口付けた。

「僕は君が好きで好きで堪らない。愛してます。…僕は、君が羨ましいです、綱吉君」

そう言いながらまだ暗い外を一瞬だけ見ると彼の胸に顔をすり寄せて、自分も眠ることにした。


end.


「十年後の二人(綱骸)」

作品名:2011お年賀公開(reborn) 作家名:煉@切れ痔