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こらぼでほすと 夏休み1

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「カガリんとこは、周囲が海だから、そっちの遊びが多いんだろうな。」

「りゃいにぇんは、あにゃたもいっしょにゃっっ。きっと、だびるおーをなおすにゃっっ。」

「ああ、期待してるよ、ティエリア。」

「またすぎゅにおりてくりゅから。」

「うん、慌てなくてもいいけどな。」

 この小さな身体から、以前の大きさの身体に乗り換えて、ティエリアは再度、降りてくることになっている。ヴェーダと『吉祥富貴』のマザーとの連結の相談のためだ。ヴェーダ本体を乗っ取るというのではなくて、相互に情報を即座に交換できるようにする。そうすると、キラはヴェーダの情報を、ティエリアは、マザーの情報を即座に閲覧できるようになる。そのほうが互いに連携する時には都合がいい。他からの侵入を阻止して、連結するので、そこいらの問題は専門家同士でやらないといけない。今回は、ティエリアが思うように話せないので、後日に後回しになった。

「十数えて出るぞ。」

「あいっっ。いち、にぃー、しゃあーん、よーん・・・・・」

 子ども扱いだが、ティエリアも気にしないで、数を数える。子供というのは、そういうものなんだと、ここ一ヶ月で納得したらしい。



 風呂から上がって、居間に声をかけたら、ハレルヤが、「布団は全部敷いといたぜ。」 と、言って手を振った。どうやら、この宴会は、まだまだ続くらしい。

「冷蔵庫に刺身こんにゃくあるけど切ろうか? 」

「後は勝手にやるさ、おやすみ、兄さん。」

 ライルも手を振る。まあ、ご機嫌だからいいか、と、ニールとティエリアも手を振って脇部屋に戻った。

 翌朝、いつも通りに起きてきたら、全員が居間で四方八方に転がって屍になっていたのは言うまでもない。

 

 あーもう、酒臭いと文句を吐きつつ、ニールが窓という窓を開いて空気の入れ替えをする。屍たちは、まだ動く気配がない。卓袱台の上の空き瓶を片付けてしまうと、とりあえず、朝食の準備をする。とはいっても、これだけ屍状態だと二日酔いばかりだろうと軽い物にした。

 その準備が終わる頃、よろよろとハレルヤが起き上がった。

「あーあーやっちまったなあー。」

 ふあーと大きく伸びをして、アイシャの肩を揺する。野郎たちは、蹴りを一発ずつお見舞いしてから洗面所に消えた。もぞもぞと屍たちは起き上がってくるが、アイシャ、ハイネ、刹那は、すぐに動いているところを見ると、二日酔いではないらしい。唯一、その症状らしいのは、もぞもぞして起き上がらないライルだけだ。

「アイシャさん、着替え、フェルトのでよかったらあるんだけと? 」

「フェルトのじゃチイサイわ。シャワーだけ浴びさせて。」

「風呂場に一通り揃ってるから好きに使ってください。」

 アイシャは、はいはい、と、風呂場に消える。野郎どもは後回しだ。ふあーとハイネが台所に顔を出して、鍋のふたをあけて、その湯気を吸い込む。

「飲んだ翌日は、これだよなあ。」

「飲みすぎだぞ、ハイネ。」

「いや、それがさ。おまえんとこの弟が、すげぇー泣き上戸でさ。とにかく飲まして倒しとこうとしたら、アイシャさんとハレルヤが飲み比べを始めちまって大騒ぎだったんだ。」

「はあ? ライルが泣き上戸? 」

 昨夜、途中までは、のんびりとくだらない話で盛り上がっていたのだが、いきなり、ライルが泣きだしたのだ。『浮気もの』 と、怒鳴って刹那に殴りかかったので、慌てて止めた。

「浮気? 刹那が? 」

「いや、それがさ。昨日は、刹那がクリスとフェルトの相手をしてたから、ライルが放置されちゃってな。それが噴火したって感じ。」

「片方、人妻で、片方は、妹みたいなもんだぞ? それにヤキモチって・・・・」

「ここんとこ、刹那は、ママにべったりだったから溜まりに溜まってたんじゃないか? 」

「子供か? 俺の弟は。」

「みたいなもんだろ? 」

 三十路の弟が、二十歳そこそこの刹那に甘えているとしか思えない態度は、いかがなものか、と、ライルの兄は考えつつ、大根おろしをやり終える。酒で疲弊している胃に優しいメニューを、さっさと作り上げる頃に、アレルヤがティエリアを着替えさせて連れてきた。ライル以外は、みな、ぴんぴんしている。

「アレルヤ、これ運んでくれ。」

 大根の味噌汁

 じゃこと大根おろし

 ほうれん草の胡麻和え

 漬物

 という、あっさりメニューが卓袱台に並ぶ頃、ようやくライルも起き上がった。が、ひどい顔なので、まずは、と、ニールがほうじ茶に梅干を落としたものと、二日酔いの薬を渡す。

「・・・ありがと・・・」

「いい大人なんだから限度を考えろよ? 」

「・・・いや、なんか・・・・飲んでたらペースがわかんなくなってさ・・・・・何にも覚えてないよ・・・・・こんなの久しぶりだ・・・・」

「ああ、そうなんだ。まあ、とりあえず、食べられそうなものだけでも摘まめ。」

「・・うん・・・」

 どうやら、記憶まで飛ばしているらしい。まあ、ものすごい醜態だっただろうから、当人の記憶がないほうがいいので、黙っていた。そういう意味では、ここのメンバーは大人だ。もそもそと味噌汁を飲みだしたライルを見て、ニールは溜息を吐く。本当に、こんなのが嫁でいいのか? と、はごはごと朝メシを食べている刹那に視線を移したら、いいんだ、とでも言うように、こくんと頷かれた。

 ・・・・・嫁の醜態を体験しても、気にしないっていうの、愛があるんだよな・・・・・

 それなりに繋がっているのかと思うと、無下に別れろとも言えない。やれやれと、ニールも味噌汁を口に含んだ。

「今日の予定は? アレルヤ。」

「明日の出発まで、お寺でのんびりさせてもらう。キラにも、そう言ってあるんだ。」

 あっという間に、エターナルの出航日だ。今日一日は、寺でのんびりと過ごして、明日、マイスター組は宇宙へ上がる。

「俺、ちょっと出て来るよ。カタロンの連中と顔合わせてくる。」

 かなり復活したライルが手を挙げて、本日の行動予定を告げる。国際会議も終わったので、彼らも中東へ戻るから、それまでに挨拶に行くことになっていた。

「刹那は? 」

「あんたと過ごす。」

 自分の左側にいるニールを見て、刹那が、そう言うと、じと目でライルが、こちらを見た。

「あのさ、刹那。これからカタロンとも付き合うことになるんだから、おまえもライルと一緒に行ってくれば? 」

「今日は行く必要がない。それより、あんたと過ごすほうが大切だ。」

「ほんと、ストレート言語は治らないな? せつニャン。」

 刹那のコミュニケーション能力の低さを知っているハイネは、しみじみと呟く。意味を取り違えると、とんでもない告白になっているからだ。

「おりぃもにぃーりゅとしゅごしゅにゃ。」

「僕も、そうする。」

 アレルヤとティエリアも最初から、そのつもりだ。また、しばらく逢えないのだから、一日ゆっくりと過ごしたいと思っているのは一緒だ。

「にーるは、アイカワラズ人気ね? 」

「そういうもんかい? アイシャさん。」

「そういうモノよ。明日から、ワタシも一緒にエターナルに乗船するカラ、みんな、ヨロシクネ? 」
作品名:こらぼでほすと 夏休み1 作家名:篠義