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こらぼでほすと 夏休み1.5

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 三年前、スメラギは組織を一端、外れたので、それから買い出すものも激減したから楽なものだった。

「ああ、そうなんだ。今回はいいのかい? 」

「当人が降下してるんだから、自分で調達するだろう。俺たちのほうは、組織でチェックしてフェルトに連絡すればいい。」

 最後の戦闘から数ヶ月、そのまんま、組織から離れているので、どうなっているのか皆目見当がつかない。トレミーは無事だったが、私物まで無事かどうかは怪しい。フェルトは、最後に降りてきたから、まだ一ヶ月は滞在予定だ。その間に、必要なものがあったら連絡すればいい。

「タバコだけ買っていこう。」

 ライルとしては、それだけは切実なので、エターナルに搭乗する前に準備することにした。ニコチン中毒の人間は、切れると辛い。そんな話をしていると、最後のニールも風呂から上がってきた。やはり冷蔵庫へ行き、黒ビールを二本持ってきて、一本をライルに手渡す。

「おりぃもにょむ。」

「え? ティエリア、これは普通のじゃないし、おまえさん、子供だからダメだ。」

「そう堅いこと言うなよ、じじい。休暇明けの打ち上げってことで大目に見てやれや。」

 ハレルヤが、そう言うと、さらに二本の黒ビールを運んできて、一本を刹那に、そして、残りから麦茶の入っていたティエリアのコップに少しだけ注いだ。

「明日から働け、あほライル。」

「ひでぇーハレルヤ、おまえもだろ? 」

 カコンと缶を合わせて、全員でぐひぐびと飲む。ぷはーっとおいしそうなのは、ティエリア以外だ。ちびっと飲んで、ぺっぺっと舌を出しているので、すかさず、ニールが新しい麦茶の入ったコップを用意して渡してやった。

「まじゅい。」

「だから、これは独特なんだって。」

「俺は最初から、これだったから美味いんだけどなあ。」

 ぐびぐびとライルは、さっさと一本を空けた。さらに、追加と走って取って来た。それを、くびっと飲んだら、ニールがおかしそうに頬を歪めている。

「なに? 兄さん。」

「いや、おまえと、こうやって飲む日が来るとは予想してなかったんでな。なんかおかしくてさ。」

 きっと会うことも声を聞くこともないだろうと思っていた弟だ。たまに、故郷のビールを飲む時は、二本用意して、一本を弟に見立てて飲んでいた。それが目の前で、一緒に飲んでいる。普通に平和に暮らしていて欲しいと願っていたのに、同じ場所に居る。一緒に飲めることが嬉しいが、気分としては複雑だ。

「これからは、毎回飲めるぜ? 次回でいいけど、俺と飲みに行こうよ。」

「えー、それは勘弁してくれ。いい年した双子が揃って外出は、悪目立ちすぎる。」

「刹那たちとはデートしてやったのに、俺には愛はないのかよ? 」

「そういう問題じゃねぇーだろ。」

 かなり距離感は薄れたので、簡単な言い合いくらいはできるようになった。どちらも同じ立ち位置になったんだから、気にするなと、ライルに言われて、ニールも納得した結果だ。愛の確認とか言い出して、ちゅっとニールの唇に吸い付いているのには、さすがのマイスター組も絶句した。

「にゃにをしゅりゅーーーーっっっ、ばんちっっ。」

 ティエリアがぷんぷんと怒っているのを、今度はニールが抱き上げて、ちゅっと唇にバードキスだ。

「にゃーーーーっっ。」

「家族のキスぐらいするだろ? はい、刹那もな?」

 右隣に座っている刹那にも、ちゅっとする。ハレルヤは、どうする? と、尋ねると、俺もやる、と、背後から抱きついてきたので、ちゅっとキスだ。

「おりぃはあにゃたのかぞくにゃ? 」

 恐る恐るという風でティエリアは尋ねる。こんなふうにスキンシップしたことは、アレルヤ以外とはなかった。

「うん、俺にとっては、ここにいるのは全員、家族みたいなもんだ。ティエリア、たまには、この格好で来いよ。甘やかしてやるからさ。」

「・・・・あにゃただけにゃら。」

 ありがとさん、と、ニールはティエリアを抱き締める。ちょこっと酔っているのかもしれない。いつにもまして、ニールは陽気だ。ちゅっとティエリアの頬にもキスしている。

「ニール、そういうのは三蔵さん限定にしたほうがいいと、俺は思う。」

「そっちのほうがしてねぇーよ。なんだよ? イヤなのか? 刹那は。」

 おかーさん悲しくて泣いちゃうぞーと笑って、刹那の頬にも、ハレルヤの頬にもキスしてくれる。たぶん、酔ってるな、と、刹那は、それで注意はやめた。酔っ払いに何を言ってもしょうがない。

「おい、じじい、俺はいいけど、アレルヤが中で恥ずかしいって暴れてるぜ? 」

「あ、おまえ、アレルヤに代われ、ハレルヤ。あっちにもしてやらねぇーと。」

「いや、やめてやれ。それこそ、気絶する。俺は、この先もいいぜ? 」

「バーカ、俺はノンケだって言ってるだろ? 」

「ちょっ、兄さん、俺、一回少ない。」

「はいはい、ライルもこい。」

 また、ちゅっと頬にしようとしたら、ライルに逆にやられた。それを見ていた刹那が、では、俺からも、と、ニールの頬に唇で触れる。ハレルヤは大胆にも唇だ。そして、ティエリアは立ち上がって、ニールの頬に吸い付く。それ、キスじゃねぇーぞ? と、ライルは呆れているが、当人は真っ赤になって、「うるちゃいっっ。」 とか叫んでいる。

「くくくくく・・・・ありがとな。まあ、たまに帰って来い。俺は、ここに居るからさ。」

 もう一度、刹那とした約束を、全員とする。宇宙には上がれないが、ここで帰れる場所で在り続けてやる、と、ニールは宣言した。

「かえるにゃっっ。」

「俺もな。」

「兄さん、次はデートな? 」

「おまえの居る場所が俺の帰る場所だ、ニール。」

「うん、あはははは・・・・・もうちょっと飲もうぜ? アルコールも明日から自粛だからな。」

 ニールの言葉に、うんうんとライルが立ち上がって新しいのを運んでくる。わいわいと賑やかに、ニールがダウンするまで飲み会は続いた。


 翌日、頭が痛いーと呻いているニール以外は元気だった。朝から荷物を積んでクルマを、歌姫様に返しに、刹那とライルは外出した。出発まで、マイスター組だけにしてやろうという配慮なのか、寺は来客もなく静かなものだ。

 二時間ほどすると、刹那とライルが戻って来た。洗濯物を干していたニールが手招きする。

「ライル、やっぱり、カレーの染みは完全に抜けないぞ。」

「えーーーお気に入りだったのに。」

「黒にでも染めるか? それなら染みもわからないしさ。」

「そんなことまでできんのかよ? 兄さん」

「四年も家政夫やってると、たいがいのことはできるようになる。ただし、着れるのは来年だな。次は季節が変わっちまってる。」

 そう言われると、そうか、と、ライルも妙に納得した。毎日、会える相手ではない。降下の時期によっては、再来年なんてことになるかもしれない。それでも会えないよりはマシか、と、思い直して、「よろしくー。」 と、頼んだ。ティエリアの服も勿体無いなあーと、干しながらニールが言う。一度限りなのに、大量にあるのは、どっかの魔女いやいやいやいや美女たちの仕業だ。