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最高総司令官
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海賊戦隊インフィニット・ストラトス

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映司の笑顔につられるように甲平も笑顔になり、真司も笑顔を浮かべる。そして皆で空を見上げた。

そこにはザンギャックの艦隊は無く、青く晴れ晴れとした空が広がっていた。




<章=プロローグⅡ>


あれから数十年・・・。

その間に世界は大きく変わっていた。

まず、世界に軍艦や戦闘機に変わる兵器『インフィニット・ストラトス』、通称:ISと呼ばれる兵器が誕生したこと。

そのISは、当時存在していたありとあらゆる兵器を圧倒する実力を持つ代わりに女性にしか動かせず、世の中は女性優位の社会『女尊男卑』に変わっていたこと。

そして女尊男卑が広まって数年したある日のこと・・・。ある少年の運命を変える出来事が起こった。


~数年前・ドイツ・廃工場~


「よし。これでブリュンヒルデを誘き出せるな」


「これで我が国であるエジプトの勝利はもらったようなものだ」


そこにいたのはフランスの第二世代型IS『ラファール・リヴァイブ』を纏った女達が10数人集まって卑下た笑いを浮かべていた。

その後ろには、小学校高学年程の少年が縄で縛られ、意識がある状態で柱に括り付けられていた。

少年の名前は『織斑 一夏』。何故この少年がこのような廃工場にて監禁されているのか。

それは彼の姉に原因がある。彼の姉の名は『織斑 千冬』。彼女はISを使った競技大会『モンド・グロッソ』の初代王者であり、数多くの女性達に崇拝されている者である。そんな彼女の唯一の肉親である一夏は、彼女の唯一の弱点でもあり、彼女の交渉材料には打って付けの存在でもあるのだ。


(ごめん千冬姉・・・・。俺のせいで・・・)


ドガァアン!!


「!?なんだ今の音は!!」


ダァン!!


「ウワァア!?」


一夏が心の中で姉に謝罪をしていたとき、轟音とともに扉が吹き飛ばされて何かが工場の中に入り込み、ISを纏った状態の女達をなぎ倒していく。


「くそっ!今のは銃声か!?」


「馬鹿な!!ブリュンヒルデは剣しか使わないはずだ!!銃を使うなんて・・・ぎゃぁあああ!!」


女が驚愕した表情を浮かべていると、その影は一瞬でその女に近づき、右手に持ったカットラスのようなサーベルでISを切りつける。影は一度止まり、女達の方に顔を向けた。

その身体は赤く、額と腹部にはVが描かれたベルトを着けた何者かだった。


「貴様!ブリュンヒルデではないな!!何者だ!?」


「・・・・私はアカレッド。海賊だ」


アカレッドと名乗ったものは、銃口をIS達に向けながらそういった。


(アカ・・・レッド?)


「アカレッドだと!?ふざけた名前しやがって!!これでも喰らえ!!」


ガガガガガガガガッ!!!!


女は右手に装着されたガトリング砲を連続発射する。しかしアカレッドは、それを全て右手に持ったサーベル『ゴーカイサーベル』で弾き、その全てをラファールへと返す。


ガギュギュギュギュギュン!!


「ウァアアアアア!」


同時にラファールの絶対防御が発動し、シールドエネルギーが0になり、その行動を止めた。その隙にアカレッドは一夏へと近づき、ゴーカイサーベルで一夏が縛られた縄を切る。


「大丈夫か少年」


「は、はい・・・。ありがとうございます・・・・」


アカレッドは一夏の返事を聞くと僅かにうなずき、ゴーカイサーベルを一夏に手渡す。


「これを持っておくといい。防衛手段にするといい」


「え・・・でも・・・」


「俺のことは気にするな。すこし此処で待っていろ」


それだけ言い残すと、アカレッドはマスケット銃『ゴーカイガン』を右手に持って敵に向かっていった。


~数分後~


「やれやれ・・・。これだけやれば充分か・・・」


アカレッドは首を一回しする。アカレッドの周りには破壊されたラファールが転がっており、鉄柱にはISを操縦していた女達が気絶した状態で縄で縛られていた。


「あ、あの・・・・・」


「ん?」


アカレッドが声をした方を向くと、ゴーカイサーベルを持ったまま申し訳ないような顔をした一夏だった。


「どうした?」


「あの、ここに来る途中に、その・・・・・誰かと会いませんでしたか?」


「え?・・・・ここに来る途中には誰とも会わなかったが、モンドグロッソという会場で大勢の人に引きとめられている女性なら見たぞ。長い黒髪を後ろで束ねた「千冬姉だ!!」・・・・そうか君の家族だったか」


一夏が突如発した言葉によって全ての合点がいったのか、アカレッドは頷く。


「・・・・・アカレッド」


「・・・なんだ?」


「俺を鍛えてください!!」


「・・・・・・・一応、理由を聞かせてもらえないか?」


「おれ・・・、ずっと姉さんに守ってもらってばかりだった。今回だってそうだ。俺がボケッとしなけりゃ、こんなことにはならなかったのに、アカレッドが来なけりゃ俺は死んでた。だから俺は、皆を守りたい!!皆を守る為の力が欲しいんだ!!!」


「・・・・・・・わかった」


アカレッドは言葉を少し溜め、一夏の前で屈んで、一夏の目線にあわせる。


「君はお姉さんの足手まといにならないように俺が鍛えてやる。ただし、その間外部のものに連絡は取れなくなってしまうが、それでもいいのなら、な」


「・・・・・・・・少しだけ、俺に時間をください。その間にやるべきことはやっておきたいんです」


「わかった。では1週間後に迎えに来よう。約束の印としてこれを君に貸そう。約束の時になったらこれを空に掲げるといい」


アカレッドは一夏の返答に満足したのか、海賊を模した人形『ゴーカイレッドキー』を一夏に手渡してから廃工場から出て行った。そしてその直後、ISを纏った少女『織斑 千冬』が、決勝戦で相手を瞬殺し終えて突入してきた。


「一夏ァ!!何処「千冬姉!!」一夏!!無事だったか!!」


千冬は一夏の呼びかけに気づくと、すぐさま駆け寄り抱きしめた。


「大丈夫か!?怪我は無いか!?痛いところは!?」


「だ、大丈夫だよ千冬姉・・・。どこも痛くないよ。でも千冬姉。決勝戦は・・・」


「大丈夫だ。多少手こずったがちゃんと勝ったぞ。誰かがISのプライベート・チャンネルを使って一夏が攫われたことを教えてくれたんだ。それで決勝戦を放ってでも来ようとしたんだが、政府の人間に止められてしまってな。それで遅れてしまったんだ・・・。ごめんな一夏」


千冬は自分が直ぐにこれなかった事を一夏に懺悔すると同時に、再び強く抱きしめた。


「俺は大丈夫だよ千冬姉・・・・。千冬姉こそ、優勝おめでとう」


「ありがとう一夏・・・!」


再び姉弟は抱きしめあい、姉は弟の無事を喜び、弟は姉の優勝を喜んだ。

その後、千冬は一夏をつれて日本へ帰り、多少はマスコミなどに追われる日々などもあったが、それでも平穏な時を過ごしていた。

そして瞬く間に1週間経ち、一夏は・・・


「よし・・・・。それじゃぁ千冬姉・・・。元気でね」