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最高総司令官
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海賊戦隊インフィニット・ストラトス

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自身の姉である千冬と過ごした最後の日の夜・・・。一夏は豪華な料理を千冬に対して振る舞い、そして身の回りのものを整えてアカレッドと共に歩いていた。


「・・・・しかし良かったのか?」


「・・・あぁ。あれで良かったんだ」


アカレッドは歩きながら一夏に問いかける。一夏は敬語を抜いた口調(アカレッドから敬語は要らないといわれた為、素の口調に戻した)で、アカレッドにそう返すも、その顔は俯いていて、表情は伺えなかった。しかし、その表情は泣いてはこそいないものの、悲しみに染まっているだろう。アカレッドは察した。

実は、一夏はアカレッドについていく事を直接話していないのだ。一夏も幾度か話そうと思ったのだが、如何せん、そのときが近づくにつれて、どうしても話せなくなってしまい、結局話せずじまいになってしまったのだ。結果、『暫くの間旅に出る』という旨を置手紙に記して、机の上に置いてくると言う手段をとったのだ。


「・・・・・大丈夫だ。また会えるさ」


「・・・・・・・あぁ」


アカレッドはそっと一夏の肩を抱き、一夏も抵抗しなかった。そして、二人は近くに停泊していた赤い帆船『ゴーカイガレオン』へと乗り込んだ。

そしてこの日、織斑 一夏は世間から消息を絶った。

その間、一夏は千冬と分かれてから沢山の経験をした。出会い、別れ、再会、そしてある事実を知った。

それから数年後、そこから話は始まる・・・・。


~数年後・IS学園~


「・・・・・なんでこうなった俺」


「ぼやくな一夏。俺だってどうしてこうなったんだか・・・・」


かつて姿を消した一夏は現在(いま)、親友である『五反田 弾』とともに、なぜか女子高であるIS学園・1年1組の自らの座席にて、突っ伏すような姿勢で椅子に座っていた。その理由は、周りの環境にあった。


「「「「「「「<●><●>」」」」」」」


この、そのうちジーッという擬音でも聞こえそうな目線である。先程も説明したとおり、ここは本来女子高である。周りは女子ばかりの上に男子は自分達だけである。例えるならば、街中に素っ裸で放り出されたような気分である。別の例え方をするのならば、動物園のパンダの気分である。

何故こうなっているのか?それにはれっきとした理由がある。


~回想~


「おい弾。本当にここなのかよ。会場間違えてんじゃねーのか?」


「いや間違いない。真耶が持ってた案内状には確かにここって書かれてるんだから」


そう愚痴りながら廊下を歩くのは、白いコート(マーベラスの服装とほぼ同じだが、コートのみ純白)を着た一夏、そして青を基調としたブレザーを主軸に、全体的に青み掛かった服装にしている、一夏の友人である弾であった。

彼らはとある高等学校の受験会場であるホール1階にて迷子になっていた。実はこのホール、有名で性格が捻じ曲がっている建築家が建てた建造物で、内部がまるで迷路のように複雑になっているのだ。おかげで毎年、老若男女問わず何十人もの迷子が発生する始末である。

そんなホールを何故二人が今歩いているのか。それは先程の真耶という女性からの頼みがそもそもの発端である。

真耶こと『山田 真耶』は、とある事情で一夏と知り合いになり、そのまま一夏に惚れてついてきてしまった女性である(経緯としては弾やここには居ないほかの二人も同じようなものだが、それはまた別の話である)。真耶はISを専門的に勉強するための学校『IS学園』で、新人教師として教鞭を揮っているのだ。

そして今回もIS学園関係の仕事でここに来るはずだったのだが、運悪く真耶にしか出来ない仕事が入ってしまい、仕方なく弾と一夏に代役を頼んだのだ(普通は、担当者に代替えが効かない様な仕事が入ってしまった場合、他の教師がやるようなものだが、そちら側の事情が重なってしまい、結果として真耶が信頼のおける人物である一夏と弾に特例として頼まざるを得なくなってしまったのだ。


「おっ?ここじゃねぇか?その会場は」


「ん~・・・・、っぽいな。んじゃ、さっさと入るとするか」


そして二人はようやく目的の部屋を見付だし、さっさと用事を済ませて帰ろうと思って扉を開く。そこにあったのは・・・


「「IS・・・・だけ?」」


そこにあったのは、ただっ広い空間に日本が世界に誇る第二世代型IS『打鉄《うちがね》』とフランス製の第二世代型IS『ラファール・リヴァイブ』が一台ずつ、ポツンと鎮座していた。しかし、その周りには警備員や役員すらおらず、ただただ打鉄のみがおいてだけであった。

二人は一瞬ポカーンとしてしまったものの、直ぐに気持ちを切り替える。ただし、先程までのふざけた雰囲気とは違う、戦士《・・》としての風格を全面に押し出して、だ。


「・・・・弾」


「あいよ。オラ!!」


ガガガガガガガガガァン!!


弾は一夏の言葉に返答を返すと同時に、入り口付近に向けてマスケット型の銃『ゴーカイガン』を取り出して、連射する。


『ゴゴォ・・・・』


ドサドサドサッ・・・


すると扉の近くから、鼠色の身体に銀色の鎧のようなものを装着した、ザンギャックの兵隊『ゴーミン』が4~5体倒れこんだ。隠れ潜んでいたのが弾の発砲によって倒されたのだ。


「なんでこんな処にザンギャックがいるんだ」


「俺が知るか。少なくとも、厄介ごとが俺たちを迎えに来てくれそうだな」


一夏はそういって打鉄、弾はラファールを背に其々座り込もうとした。すると


ヴォン・・・・


「「ん?」」


それぞれの後ろから何かが起動するかのような音がした。彼らがそれぞれの後ろを向くと、自分達が背にしていたISがそれぞれ起動していたのだ。


「ふ~、やっと試験が終わったわ~。・・・って、貴方達何してるの!?ってか、ISが起動してる!?」


「こ、これは・・・!!急いでIS委員会に連絡を!!」


同時に、入り口から入ってきた女性達によって、その場が段々慌しくなっていく中、二人はただただこう思った。

やっちまった・・・・。


~回想終了~


(な~んでこうなるんだか・・・)


「・・・・さんっ!!織斑くん!!」


「ん・・・?」


「次は織斑君の番ですよ」


一夏は大分参ったような顔を浮かべながら教卓の方に顔を向けると、真耶が一夏に呼びかけていた。隣を見ると、弾がジェスチャーで何かを伝えている。ジェスチャーによると、どうやらいつの間にか自己紹介を(名字順で)やっており、自分の番まで来ていた様だ。

一夏は億劫そうな顔を浮かべながら、立ち上がる。


「はぁ・・・・。『イチカ・オリムラ・マーベラス』だ。俺はあまりISを知らないから至らないところもあると思うが、よろしく頼む。趣味は家事と鍛錬だ。俺の隣にいる五反田 弾と弾を穴が開くほど熱っぽい視線で見つめてる『五反田 蘭』とはダチ同士だ。これからよろしく」


ガラッ