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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第4部

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019話 紅の鉄騎とアイスと宣戦布告




「ちょっとヴィータ副隊長ッ!!!
また私のアイス勝手に食べたでしょう!!」

「なんだスバル!別にアイスの1つや2つ良いじゃねーか!!」

午後9時、機動六課のランチルームでは、くだらない戦いが始まろうとしていた。
しかし、スバルとヴィータにとっては、アイスは自分の命と同等のものと考えても良い。
二人には風呂上がりのアイスはオアシスなのだ。

「今日という今日は許しませんよ!!」

「なんだ?ヴィータ『副隊長』に逆らうのか?スバル!!」

「それとこれとは別ですッ!!!」








「あ~あ、またやっとるなぁ」

「スバルちゃんとヴィータちゃん?なにやってるんだろう?」

ちょうど風呂上がりの はやて と映司がそこに通りかかった。


「まぁ気にせんでもえぇよ、映司くん。あの二人はいつものこと…『ちょっとちょっと!二人ともなにしてるの!!』…ってえぇッ!?」

映司は はやての話を最後まで聞かず、スバルとヴィータの元へと向かった。

「まったく…本当にお人好しなんだから…」






「全く、ヴィータちゃん駄目じゃない、スバルちゃんのアイス勝手に食べたら!」


「うっさい!私はな!『わん おあ ふーる ふーる おあ わん』の精神の持ち主なんだよ!!」


「…ヴィータ副隊長、それ言うなら『one for all all for one 』ですよ…じゃなくて!アイス代ちゃんと返してくださいね!」

「はぁ?なんで私が金返さないといけないんだよ!」

「ちょ、ちょっと!何言ってるんですか!当たり前でしょ!?」


映司が二人のやり取りを見て、再び焦り始める。

「ちょっと二人とも、落ち着いて!」


「だいたいヴィータ副隊長はアイス食べ過ぎなんですよ!せめて少し我慢を覚えてくださいよ!」

「な、別に良いだろ!アイスは別腹なんだよ!」

「いい加減にしないと本気で怒りますよ!ヴィータ副隊長!!」

「ふん!なにが起きようと、アイスだけは絶対ゆずらねぇ!絶対にだッ!!」


たまらず、映司がついに口にだした。

「ちょっといい加減にしろよ!『アンク』ッ!!」



「…ん?」

「アンク?…映司さん、目の前にいるのヴィータ副隊長ですよ」









「あ…」




















アンク……












映司は棒立ちになり、なにも話さなくなってしまった。さすがに二人は異変に気づいたのか、映司を心配する。




「お…おい、映司、どうしたんだ?本当に怒っちゃったのか?」



映司は今まで誰にも見せたことのない、暗い表情で、無理やり笑いながらヴィータに言葉を返した。

「う…うぅん、大丈夫だよ、ヴィータちゃん、わかってもらえれば良いんだ、…じゃあ、二人とも…お休みなさい。」


映司はそのままトボトボと部屋に帰ってしまった。


「ヴィータ副隊長、…映司さん、どうしちゃったんでしょうか?」


「…わかんねぇ、…映司…。」











「ん?映司くんの様子がおかしい?」

「そうなんだ…はやて…。」




ヴィータは はやて の部屋に訪れ、先程あったことを はやて に話した。

「あいつ、いきなり怒り出したとおもったら、いきなりテンション落としやがったんだ」


「ふ~ん…映司くんがそこまで気を落とすこと、…なんやろ?」

「な、なぁはやて!どうすれば…」


ヴィータは思わず泣きそうになった。
そんなヴィータに はやて は頭を撫でる。

「大丈夫や、ヴィータ。映司くんのことや!明日にはすっかり元通りになってる!」


「う、うん…」


「ほな、今日は一緒に寝よか、な?」

「うん…ありがとう、はやて」









次の日、はやて とヴィータは朝ご飯を食べているとその場に映司が現れた。
…しかし…



「あ、映司、おはよう。…ッ!!!!」




キャアアァァァァァァッッッ!!!!!!





フェイトの悲鳴がその場に響きわたった!


「なんやなんや!ッて、映司くん!服、服!!」


「え?…あ…」


映司はパンツ一丁だった。



「え、映司…」

「だ、大丈夫やヴィータ!たまたまや!」



しかしそうでもなかった。


その後も映司は牛乳に氷をいれたり、壁によくぶつかったり、じぶんの部屋と間違えて なのは の着替え中に入りディバインバスターを浴びせられる…など、完全に上の空だった。



はやて とヴィータは再び会議をしていた。

「あかんな…完全に映司くん頭いってるなぁ」

「…こんな映司は嫌だ…」


ヴィータは深刻な顔になる。

「…ヴィータ?」


「…映司は、お人好しでいつも笑っていて、私のこと子供扱いして…そんな映司が好きなんだ!私は、今の映司は嫌だ!!」


ヴィータがいきなり大声をだし、はやて は驚く。そしてヴィータはなにかを決心した顔つきになった。

「はやて…私にまかせてくれ!私のやり方で映司を元に戻してみせる!」

「(…ヴィータ…)わかった、必ず元の映司にしてくれな!ヴィータ!!」


「おう!はやて!」


ヴィータはそのまま部屋をでて、映司の元へと向かう。


「私のやり方…よく自分でもわかんねぇけど…1つだけ、『あの時』みたいに心が通じ会うやり方がある!待ってろ!映司!!」







その頃、映司は隊舎の外を散歩していた。


「…アンク……」






-おい映司!アイスもっとよこせ!!-




-映司、こいつにはこのメダルだ!-







-お前の掴む腕は、もう俺じゃないってことだ…-





「…アンク…ごめんな…こっちに来てから、お前のこと忘れてたよ。俺はもともとお前を復活させるために旅してたんだよな…でも、はやてちゃん達を見捨てることなんて、できないよ…」


映司はその場に立ち止まった。


「俺、何をすればいいんだろう…わからない…」





…ぃじ!





「…ん?」





映司!







遠くから1つの物体にが映司めがけて突っ込んできた!







「な、何!?」




「映司ィィィィィィッ!!!!!」



「な、ヴィータちゃ…」


「せいやぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
「ああああぁぁぁッ!!!!」
次の瞬間!ヴィータのドロップキックが決まり、映司は吹き飛んだ!!


「ちょ、ヴィータちゃん、いきなり何?」



ヴィータは倒れている映司の前に仁王立ちになり、人差し指を向ける!

そしてヴィータは…





「映司!今日、午後からお前に決闘を申し込む!!」







「…えぇ?」






映司に決闘を申し込んだ!

今、激戦が始まろうとしている…。