新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第1話
その次の曲では勇士朗の惚れている桜高生のヴォーカルで、「ふでぺん」が演奏された。彼女のその歌声は勇士朗の恋心を更に魅了する。
勇士朗 「・・・・やべーよ・・・やべーよぉ〜!!」
俊 「落ち着けよ、勇士朗・・・。」
一方、場所は変わり、立川の警視庁管理地。本日新たな特殊部隊が発足しようとしていた。
その名も「M.P.D.BRAVE」。
防衛庁の後釜として創設された、警視庁の対特殊生命体対策部隊だ。
部隊の隊員は隊長とオペレーター隊員2名、戦闘ロボット・ジェイデッカー、ガンレイバー、ショットレイバーで構成されている。
他の部隊との相違点は、運用されるメカも隊員として見なされている点である。
人格を持つゆえに人員として認められているのだ。
ちなみに、レイバーズの名称は彼らにプログラムされている専門の武器からとられている。
拳銃と格闘専門がガンレイバー、射撃系の援護専門がショットレイバーだ。
部署の拠点は、物理的に本部には彼らを置けない為に立川の広大な土地に置かれた。
青空が広がる中、発足に伴なっての式が立川本部で行なわれていた。
M.P.D.BRAVEの隊長、要誠人が勇ましく警視総監に向かい部隊挨拶をする。
要 誠人 「本日より、我々6名はM.P.D.BRAVEに着任すると共に、いかなる特殊生物の災害も、市民の安全の為に断固とした意志で立ち向かう事をここに宣言致します!!」
ビッと敬礼し部隊挨拶を決める要達。
立ち会っている警視庁関係の警察官や報道陣達から拍手がなりはじめる。
レイバーズの2機も敬礼をしているが、ジェイデッカーというロボットの姿は無く、パトカー型のユニット車両と120トンクレーン車(全長12〜13メートル)よりも更に大型の巨大なトラックの姿があった。だが、パトカーといっても通常の車両の大きさではなく、新幹線二両分の幅を持った巨大なパトカーだった。
冴島十蔵警視総監 「これより、M.P.D.BRAVEの要役、ジェイデッカーの変形を皆さんに披露したいと思います・・・・これは、13年前、5・15において未曾有の災害をもたらした『ハカイジュウ災害』に対向すべく造られた、独立思考回路・超AIを搭載したスーパーロボットです。では、要警部。」
要 「はいっ!ジェイデッカー、ブレイブアップだ!」
ジェイデッカー 『了解!』
パトカー型のユニット・Jポリスのヘッドライトが音声に連動して喋った。どうやらこのパトカーにジェイデッカーの超AIが搭載されているようだ。一斉にダッシュし始める二台の車両。Jローダーが青白い炎を噴射しながら車体を起こし、空中へと上昇していく。
Jローダーが各部分を変形させ始める。それと同時に加速をつけながらJポリスも上昇する。
アーム部分やレック部分に変形しロボットの面影を形成して、ウィング部分も形成されていく。
中央の開いたスペースからレーザーセンサーが放たれて、ドッキングモードに変形したJポリスを導く。
ドッキングし、ツインアイカメラの頭部が出ると完全に変形、ジェイデッカーは叫びながら名をキメた。
ジェイデッカー 『ブレェェェイブアップッ!!ジェイデッカーッ!!!』
警視庁関係の警察官や報道陣達 「おおおお!」
冴島 「このようにジェイデッカーは、パトカーユニット、Jポリスと対ハカイジュウビークル、Jローダーが合体して成り立ちます・・・移動の際はあちらに見える、専用の大型輸送機、Jトランスポーターに搭載して移動します。」
冴島の示す方向に、巨大な輸送機の姿があった。
その後、冴島の長い説明が終わると、警察官や報道陣達に改めてジェイデッカーとレイバーズの2機が挨拶をする。
ジェイデッカー 『改めて挨拶させて頂きます!私が本日、M.P.D.BRAVEに配属されましたジェイデッカーであります。今後とも特殊生物・ハカイジュウ災害による災害、それ以外の事故・犯罪にも立ち向かう所存です。どうぞよろしくお願い致します!!』
続いてレイバー達が敬礼をしながら挨拶をする。彼らもまた音声に連動してカメラが光る。ちなみにレイバーズはゴーグルタイプのカメラだ。
ガンレイバー 『ジェイデッカーと共に配属されました、レイバーズです!!』
ショットレイバー 『我々2名は、ジェイデッカーの補佐を勤めると共に、事件に立ち向かう事をここに誓います!』
一方、旋風寺コンツェルン・マイトガインパドック。
ここではロールアウト間近のマイトガインが眠っていた。
JRと肩を並べるほどの大手鉄道会社故にマイトガインのモチーフは列車だ。
両肩は名新幹線、300系のぞみと400系つばさを模しており、ボディーはメカ的にアレンジされているが、数少なくなったSLを模している。
このマイトガインの機構は超AIを搭載しながらも、パイロットも搭乗して操縦するというジェイデッカーとは異なる機構を備えていた。
だがこの姿は、データベースのモニターに表示された映像だった。その映像を見終えた少年はその場を立ってパドックへと向かう。
その少年こそ、マイトガインのパイロットである旋風寺コンツェルン御曹司であり若社長、旋風寺舞人だった。
彼がやって来たパドックには、先ほどのマイトガインの姿は無かった。巨大なSLビークルと二両の新幹線型ビークルの姿があった。300系のぞみと400系つばさだ。いずれも現役引退している車両だ。
舞人は、作業を監督していた専属技術顧問、大阪に話しかけた。彼は先代社長からの旧知の仲なのだ。
旋風寺舞人 「これが、俺が乗り込むマイトガインか。どう?作業の進み具合は??」
大阪 「おお!これは、舞人君!!もうしばらくの内にロールアウトできるよ!!」
舞人 「そうか!さっきもデータベースを閲覧させてもらったけど、やっぱりカッコイイね!!マイトガインは!!!」
大阪 「そうだろう?!超AIを搭載させたSL型ビークル、ロコモライザー。名新幹線車両を模した、ガインライナーとウィングライナー。これらが合体してマイトガインになる・・・。」
舞人 「俺はこのマイトガインでクリーチャー、俗に言うハカイジュウ災害と闘うぜ・・・!!」
大阪 「・・・しかし、御曹司の舞人君が何故最前線で危険な役柄を?」
舞人 「俺は、自らの意思で志願したんだ。俺自身は人々の為に戦いたい!!誰かが危険を犯してハカイジュウと闘うならば、この俺が戦う!!人の上に立つ者は常に最前線に立つべきだと俺は考える!!」
舞人は、固い決意の眼差しをロコモライザーに向けた。
再び桜ヶ丘高校。学園祭も終わり、時間帯的に空は蒼く暮れていく。だが、それでもここの学園祭は終わらない。
学園祭最後のイベントのキャンプファイアーがあるのだ。
軽音部のメンバーもキャンプファイアーを見ながら今日の反省をしていた。
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第1話 作家名:Kブレイヴ