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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第1話

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  勇士朗が惚れている軽音部の少女、秋山澪がキャンプファイアーの炎を見つめながらぽつりとつぶやく。

  秋山 澪 「きれいだなぁ・・・・。」

  田井中 律 「そうだな〜。」
 
  その横でドラマーの律がキャンプファイアーを見ながら賛同する。

  さらにその横からツインテールのおさげが特徴的な小柄のギタリスト、中野梓が先輩のギタリスト、平沢唯に軽いダメ出しをする。

  中野 梓 「唯先輩っ!もう、ライヴ当日にギター忘れないでください!なんとかギリギリ間に合いましたけど。」

  平沢唯 「そうだねー・・・えへへへ〜ごめーん・・・。」

  梓 「けれど、それに反してMCはうまいですね。安心して聞いていられますよ。」

  唯 「そっかなー?」

  梓 「そこはもっと自信を持ってもいいと思いますよ!」

  そんな唯と梓を見ながら澪がつぶやく。

  澪 「クスッ・・・なんかこの感じ久しぶりだな。」

  律 「そーだなー・・・そう言われりゃこのノリも久しぶりだな。桜高軽音部ここにありってかぁー?」

  キーボードの琴吹紬がこの光景に、にこにことした表情で見つめている。

  ちなみに彼女は(株)KOTOBUKIの社長令嬢である。

  更にその光景を影から勇士朗達が見ていた。

  結局のところきっかけを作りそびれて今に至るまでズルズルと来てしまったのだ。
  
  勇士朗 「・・・・無理っ。」

  俊 「だな・・・・・諦めろ。今行ってもあからさまに不審者だ。ただでさえ野郎なのによ。」

  光 「結局現実的な結果になったな。ま、俺も同類だけど・・・・。」

  蓮 「俺もそろそろバイトの時間だ。行かなきゃなあ。」

  俊が勇士朗の方に手をぽんと置き、せめてものアドバイスをする。
 
  俊 「まあ、普段の放課後でもいいんじゃねーか?どうせ帰宅部だし。」

  勇士朗 「そ、そうだな。今行きゃ確実玉砕だ・・・そうするか・・・。」

  勇士朗達が桜高から引き返そうとしたその矢先、突如として巨大な地震が発生した。

    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・!!!

  勇士朗 「うお!?!地震?!!」

  俊 「でけーぞ!!これ!!!」

  光 「マジで動けねー!!」

  蓮 「くうっううう!!でけええええっ!!!」

  桜校の女子達も悲鳴を上げていた。
  
  澪 「うあああっ!!地震・・・・!!!」

  律 「なんだ、なんだああ?!」

  紬 「ど・・・・・どうしましょ?」

  梓 「ひゃああああ!!」

  唯 「ひいいいいん!!」

    ズゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

  ハカイジュウ 「ミシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!」

  校舎が破壊され、イソギンチャクのような頭部をもったムカデ状の巨大生物が地下からその姿を突如として現す。地震ではなく、巨大生物が地下から突き進んできた衝撃だったのだ。

  勇士朗 「マジかよ・・・・・こんなの・・・・!!!」

  おぞましく巨大で長い胴体は、イとも簡単に校舎を破壊する。
 
  気色の悪い動きで校庭を這いずり回るハカイジュウ。 

  複数の女子達の悲鳴が響く中、悲痛な現実が勇士朗達のビジョンに飛び込んできた。

  胴体から生えた触手のような手とも足ともいえる部分が、容赦なく女生徒達を捕食しはじめたのだ。さらには、内側に無数の牙が生えたイソギンチャクのような頭部がぱかっと開き、逃げ惑う女生徒達を容赦なく呑み込んでいく。

    ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぉぉぉ・・・・・がぶしゃああああああっ!!

  俊 「なんかの冗談か?これは・・・・!!?」  

  蓮 「ヤバ過ぎだろ・・・・!!!」

  光 「何とか助けれられねーのかよ?!!」

  勇士朗 「目の前にいるコ達だけでも助け出そう!!無駄なのはわかってっけど、何もしねーよりはマシだっ!!!」

  俊 「ああ!!行こうぜ!!!ここにいる男は俺たちしかいねぇっ!!!」

  蓮 「よ、よっしゃあああ!!」

  光 「お、おおおおっ!!」

  野郎共4人は一斉に走り出す。

  面前には恐怖ですくんで動けない女子達がいる。その中には軽音部の澪達もいた。
  
  俊が目の前にいる女子たち全員に全力で叫ぶ。

  俊 「みんな、とにかく校門側へ逃げろ!!ここに居ちゃみんなやられる!!とにかく校門側へ逃げるんだ!!!」
 
  なんとか俊の声に応えてくれる女子達。代表するかのように律が俊に叫ぶ。
 
  律 「ああ!!わかった!!立て、澪!!いくぞ!!」

  澪 「あ、ああ・・・・!」

  急いでその場を離れようとする、澪と律。だが、メンバーの数人がまだ立てないでいた。

  澪 「律!まだ唯達が!!」

  律 「え!?」

  蓮 「ここは任せろ!!先にいけっ!!」

  走ってきた蓮が、澪達に走りながら叫んだ。

  律 「わ、わかった!!」  

  蓮 「大丈夫か!!?立てるか!?!とにかく校門の方へ逃よう!!」 

  梓 「え!?!あ、はい、何とか立てます!大丈夫です!!」

  蓮 「そうか?」

  梓に蓮が駆け寄り手を差し伸べたが、梓は自ら立ち上がる。一方で、光はすくんでる唯を起こす。    
  光 「立てる?!早く立って!!化けもんが来ちまう!!」

  唯 「ふぃぃ〜・・・・こわいよぉ・・・。」

  ふにゃふにゃな返事で立ち上がる唯。天然キャラの為か。  

  光 (か・・・かわいい・・・。)

  俊 「早く!!校門へ逃げるんだ!!」

  紬 「はい・・・・すいません。」

  俊が紬を起こして逃げさせる。

  そのとき、こちらに向かってハカイジュウが向かって来る事に勇士朗が気づく。
 
  このままでは澪と律が確実に呑みこまれる。 

  勇士朗 「・・・ヤバイっ!!!」

    ぞぞぞっぞぞぞぞぞぞぞぞっぞぞぞぞぞぞおおおおおおっ・・・・・

  澪と律 「え・・・・きゃああああああああああ!!?」

  2人を喰わんと迫り来るクリーチャー。だが次の瞬間、二人を思いっきり勇士朗が両手で押した。

  勇士朗 「うおおおおおおおおおおおお!!!!」

  澪と律 「!!!」 

    どんっ・・・・ドガアアッッ!!!

  勇士朗 「ぐはあああっ・・・!!!」

    ドゴガアッ・・・・・・ボワアアアアアァァァァ・・・・

  澪と律は勇士郎に押され九死に一生を得るものの、勇士朗は思いっきりクリーチャーに吹っ飛ばされ、キャンプファイアーの火の中へと頭から突っ込む。

  頭部を強打し、体が燃え上がる。体は燃えているにもかかわらず動かない。

  律 「うそ・・・あの男子、私達をかばって・・・!!!」

  澪 「うっ・・・・・!!!」

  目を瞑りながら視線をそらす澪。ただでさえ痛々しいビジョンが苦手な彼女にとってこの光景は耐え難いものだった。