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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第5部 後編

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029話 修正力と答えと旅立ち





「10年前の海鳴市に行く…ですか?」

「あぁ…非常に危険な行為だがな」



今から数時間前、ディケイドの口から衝撃的な言葉が発せられた。
映司はただ驚くばかりであった。


「ちょっと待ってください!!そんな、いくらディケイドさんでも過去に行くことなんて…」

「いや…できる」

「…え?」

そのままディケイドは映司の周りを歩きながら説明を始めた。


「正確には『魔法少女リリカルなのはA,s』の世界だ、ちなみに今、俺たちがいる世界は『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の世界だ…っておい、話についてきているか?」

「え?…はい!まだ大丈夫です!!」



しかし映司にはあまり理解できていなかった。
それに気づいたディケイドはため息をしながら話を進めていく。


「そこでお前がやることはただ一つ、闇の書の意思に出会い、夜天の書の『修正プログラム』をもらってくるんだ」

「ッ!!つまり…リィンフォースさんに会いに行くってこと…ですか?」




−なるほど、夜天の書を治すには本人の力を使えってことか−

「…おまえは」

「あ!アンク!!」


その瞬間、空から勢いよくアンクが落ちてきて、華麗に着地しディケイドの目の前に立った。


「おい、お前。この俺を一緒に連れて行け」

「…何?」

「お、おい!アンク!!」



アンクはディケイドを睨みつけながら映司との動向を申し出た。いきなりの展開にディケイドはやれやれと首を振りながらアンクの質問に答えた。



「お前、また何か企んでいるんじゃないのか?言っておくがお前には前科がある。また好き勝手して世界の歴史を変えられると迷惑なんだよ」

「はッ!違うな…俺がいなかったらこいつはオーズに変身できないだろうが!」



アンクは映司を指差した。

そうだ…あの時メダルはすべて消滅してしまったのだ。
今あるコアメダルはアンクの持つ赤のコアメダル9枚のみである。



「仕方ない…あと、お前たちに注意事項を言う…死にたくなかったらよく聞けよ。」


ディケイドが急に真面目な喋り方になり、二人は真剣になった。



「いいか?いまこの世界みたいに現在進行形で進んでいる世界は他の世界の人間が関与しても特に問題はない…その時点で歴史は作られているからな…だがな…今度の世界は違う。次の世界は既に『完結した世界』だ。その意味、わかるか?」


「つまり、俺たちが関与すると歴史が変わってしまう…ということですか?」

「あぁ…半分だけ正解だ」

「あん?他になにかあるのか?」



アンクはなかなか正解を言わないディケイドに苛立っていた、映司はなんとかアンクを落ち着かせようとする。そのままディケイドが話し続けた。



「いいか?世界の歴史を変えられるのは俺みたいな存在…ごく一部の者だ。そいつらを総称して『特異点』という。オーズ、お前の知っている限りでは『電王』がその特異点だ」


「あ…ッ!」


映司は思い出した。
少し前、かつて一緒にショッカーと戦った『NEW 電王』…野上 幸太郎の存在を。



「しかしな、特異点でないものが世界の歴史を変えようとすると…どうなると思う?」

「はんッ!ろくな目に合わないことは確かだな!!」



「そう、特異点でないものが歴史に関与してしまうと、その世界の部外なものを消し去ろうとする『修正力』が始まる、これを『歴史の修正力』と呼ぶ。…つまりだな、お前たちがその世界の主要人物や出来事に関与すればするほど…










歴史の修正力によって、お前達の存在は…消えていく」







「ッ!そんな…」



映司は衝撃を受けた、はやて達に関与せずリィンフォースに会う…ほぼ不可能に決まっている。関与すればするほど自分達の存在が消えていく…




「おい、映司。」

アンクが映司に話しかけた。
そのアンクの表情は真剣だった。


「どうするんだ?お前はまた自分の身を犠牲にしてまで、この世界、あの女のために戦うのか?」





いや…最初から答えはきまっている。





「アンク…ごめん。俺、行くよ、10年前の海鳴市にね。俺最初から決めていたんだ、この世界も、はやてちゃんもどっちも助けるってね。助かる希望がまだあるのにここで諦めたら絶対後悔する。お前と再開したのは嬉しかったけどこのまま自分たちだけ地球に帰ることなんて…絶対できない!!」

それを聞いたアンクはそっぽを向き、腕を組んで映司に答えた。

「はッ!!お前は本当に馬鹿だな!!昔とちっとも変わらない…まぁ最初からそう答えるとわかっていたがな…」

「アンク…」


そのままアンクは映司と向かい合い、右手を出す。

「いいだろう…お前の欲望が叶うまで…地獄のはてまで付き合ってやる!!覚悟しろ、映司!!」

映司は笑顔になり、自分の右手を出し、アンクと握手をした!

「ありがとう、アンク!…さぁ、こうしちゃいられない!!ディケイドさん!お願いします!!」


ディケイドは再びやれやれと首を振り、映司とアンクに話し始めた。

「その前に、オーズ…旅立つ前にお別れの挨拶ぐらいしておいたらどうだ?世界の移動なんていつでもできるから今のうちに心残りをすべて解消してこい、それからだ」


「そうですね…わかりました」


















………

















はやて、なのは、フェイトや他の機動6課の人たちに挨拶を終えた映司はアンクとディケイドが待つ屋上へと歩いていた…しかし映司はヴォルケンリッター達には何も伝えぬままだった。




「皆、ごめんね。ここでみんなとさよならはしたくないんだ…」








−映司、まだまだだな。それではいつまでたっても私を超えることなどできぬぞ!!−



−映司くん!ケーキ作ったから味見してみて!!…ちょっと失敗しちゃったけどね…てへ!−



−おい映司!アイス食べたいから買ってきてくれよ!もちろんお前のツケでなぁ~−



−映司、よかったら今度またおでんでも食べに行かぬか?…なに、たまには我がおごってやろう−



−おにぃちゃ~ん!!…え?変ですかぁ?…リィンは気に入っているんですけどねぇ…−














「ごめんね、皆。皆とはまた『笑顔』で会いたいんだ…」











そして映司は屋上にたどり着いた。


「よし、準備はいいか?お前たち。」

「あぁ、俺は大丈夫だ。」

「…さぁ、いこう。『10年前の海鳴市』に…」

その瞬間、映司とアンクの目の前には灰色のオーロラのカーテンが現れた。それは少しずつ二人に近づいてきた。




「悪いな、俺が関与できるのはここまでだ、あとはお前たち次第だ。頼んだぞ…『仮面ライダーオーズ』」













シグナム…ヴィータちゃん…シャマル先生…ザフィーラさん…リィンちゃん…











皆本当にごめんね。















行ってきます…ッ!!




















その場に、静寂が訪れた…。