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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第4話

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  吉崎 「・・・・・。」

  再開を喜ぶのもつかの間。再び空気が沈む。

  二人の脳裏には13年前のC‐01襲来の報道がフラッシュバックしていた。

  さわ子 「・・・まさか自分達の身の廻りでこんなことが起きるなんて想像もしなかった。」

  さわ子の声が震えていた。

  吉崎 「サワチャン・・・。」

  さわ子は再び吉崎に視線を向けると吉崎が聞きたかったことを喋り始めた。

  さわ子 「でも・・・謎のロボットが現れてあれ以上の悲劇は起こらなかった。怪物を一刀両断してくれたのよ。そのロボット。」

  吉崎 (そうだった!!それに関しての聞き込みをしていたんだ!!)

  さわ子 「ひょっとしてレイナの部署のロボットだったの?」   

  吉崎 「ううん、全く違う。アタシ達は東京の町田で展開していたから。その謎のロボットについての情報収集を上司から頼まれていたの。他に見た人とかいない?」

  さわ子 「見た生徒は大勢いるけど・・・みんな詳しい事は何も。」

  吉崎 「そう・・・・。」

  さわ子 「私そろそろいかなきゃ。またあとで会えない?ここでケー番交換は不謹慎だから。」

  吉崎 「じゃあ、校庭に来てくれればいいよ。まだ現場検証中で当分いると思うから。」  

  さわ子 「わかった。それじゃあとでね。」

  吉崎 「うん。無理しないでね。」

  さわ子 「お互い様よ。」

  

  その日の午後、勇士朗達は街中にある高台の山頂に来ていた。

  市内が一面に見渡せる所で、夜ともなれば眼下に夜景が広がるスポットだ。

  勇士朗達はコンビニやファーストフード店に行ってテイクアウトしてはここで食いながら語っているのだ。

  蓮 「しかし、昨日はマジでヤバイ体験したよなぁ・・・。」
  
  光 「ああ。でもよ、よく俺らが助ける行動に出れたよな?嘘みたいだぜ。」

  俊 「ここは何と言っても勇士朗の一声があったからこそだろ?」

  勇士朗 「俺は咄嗟的にやれることをやりたかっただけだ。目の前で女の子が死んでいくのを黙って見ているわけにいかねーだろ?それに、何よりも軽音部の秋山さんを守りたかった。」

  蓮 「そりゃ誰だって好きなコは守りたくなるだろうが・・・・死んだら意味ないぜ?」

  光 「あのときはマジで死んじまったかと思った。」 

  俊 「確かに。あんなバケモノに吹っ飛ばされて、キャンプファイヤーの火の中に頭から突っ込めば誰だって死んじまうか、重症を負っちまう。」

  蓮 「そうだよなぁ。奇跡だ、キセキッ!!」

  蓮の言うとおりだった。ファイバードが降臨しなければ勇士朗も犠牲者の1人となっていたかもしれなかったのだ。

  俊 「なぁ、勇士朗。」

  勇士朗 「ん?」

  俊 「ぶっちゃけ、どんな感覚なんだ?ファイバードになってよ?」

  勇士朗 「なんともいえねー。ただ言えるのは、ファイバードの知識が俺の脳内に自然に入ってくる感覚がある。だから、フレイム・ブレスターを召喚したり、フレイムソードを出したりしたんだ。」

  蓮 「ってことはさ、あのバケモンが何なのか解るってことか?確かアイツを追ってきたんだろ?ファイバードは?」

  勇士朗 「ああ・・・だが、ファイバード達にも破壊生命体ということしか判明していない。未だ謎に包まれているみたいだ。」

  蓮 「達?ってことは他にもいるのか?」

  勇士朗 「ああ。ブレイブ宇宙警察機構っていうのがあって、その一員がファイバードなんだ。他にも仲間がいるが、今は別の惑星に出向いているみたいだ。」

  光 「いずれにしても俺達のツレの約1名が、ミラクルヒーローになったってコトだけは確実だな。」

  勇士朗 「もっといいネーミングねーのかよ?」  

  蓮 「『太陽の勇者』はどうだ?合体した時の胸のところの翼のカンジが太陽っぽいからよ。」  
  俊 「いいんじゃねーか?太陽の勇者、ファイバード。闇をかき消す太陽の光っ・・・てな。」

  勇士朗 「なんか最後クサイな、ソレ。」    

  光 「キセキって言えば、いよいよ女の子達との繋がりができた事もキセキだよな!」
 
  蓮 「おうおう!ソレソレ・・・・・って喜びたい所だが、あんな目にあったあのコ達を思うとなぁ・・・・・嬉しさ半分、複雑さ半分だよな。」

  俊 「本来なら今頃、女の子達と遊びに行ってたんだろうがな。カラオケとかショッピングとかよ。」  

  勇士朗 「ああ。せっかく知り合えたのにもどかしいよな。」

  俊 「いっそお前だけでもメールしてみたらどうだ?元々は勇士朗のコトで本来は出向いたんだからな。超スーパーミラクルチャンスだぞ?」

  勇士朗 「な、何ぃッ!?で、できねーよ!!」  

  俊 「うぶだなぁ、全く。彼女もきっと心が傷ついているはずだ。命の恩人が声かけてやるのは悪い事じゃないと思うぜ。」

  勇士朗 「う・・・。」

  蓮 (よっしゃ!メールすっかな!)

  光 「俊、ナイスアドバイス!」

  俊 「お前らも便乗するか・・・。」

  蓮と光は揃いも揃ってメールを打ち始める。

  勇士朗 「俺は・・・電話しよう。」

  俊 「おいおい、いきなりそれはだな・・・。」

  勇士朗 「ま、前に本で女の子は声を聞いたほうが安心するって見た事あるからだ!」

  俊 「それは好きなヒトの声だろ?」

  勇士朗 「・・・・・。」

  その頃の軽音部のメンバーは、各個人の家にいた。

  律は嫌な気分の余韻を紛らわす為にひたすらRPGのレベル上げをしている。  

  律 「はぁ・・・・思い返すと最悪な事と最高の事が両方おこったよなぁ・・・。」

  律いわく、確かにそうだった。最悪な状況下の中、今まで縁がなかった男子勢と知り合えたのだ。

  律はケータイを手に取りメールの着信を見てみる。

  男子達からのメールは入っていない。

  律 「はぁ・・・・ん!?」

  ♪♪♪・・・

  溜息をつきながらケータイを閉じようとしたその時、メールが入ってきた。蓮からだった。

  律 「おおお!!キタ!!・・・蓮って奴からか・・・!」

  同じ前髪カチューシャスタイルをしている為か、律は妙に嬉しかった。      

  蓮も同じ理由からメールを送ったのだろう。

  澪の部屋では、澪がベットでうずくまっていた。片隅にはエリザベスこと、澪のベースが置かれている。

  彼女の脳裏には目の前で死んでいく同級生達の姿がフラッシュバックしていた。

  澪 「う・・・っ!」

  フラッシュバックするたびにきゅっと強く瞳を閉じる。

  澪 「なんであんなことになったんだ!!なんで・・・・!!私達が何かしたのかよ??!」

  そのとき、澪のケータイが鳴り始めた。      

  ♪♪♪・・・

  澪 「電話?律か?」
 
  ベットから降りて、ケータイを手に取ると勇士朗からの着信である事に気づく。