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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第6部 後編

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034話 もう一つの家族と思いと復活した『八神家』




「さあ火野、もう逃げられないぞ」

「は、はい…」


映司は自分の正体がオーズだということ初めからヴォルケンリッター達にバレていた。
映司はテレビの前にあるソファーに座らされ、周りにはシグナム、シャマル、ザフィーラが立っていた。


「映司くん、あの…」

「…はい、なんですか?」


シャマルが映司のすぐ目の前に立ち、頭を深く下げた。
その行動を見たシグナムは突然の行動に驚いてしまった。


「お、おいシャマル!なにやってる!!」


しかしシャマルは止めることはなく、
数秒してからその口が開かれた。


「いくら怪しい人物とはいえ、そのまま映司くんをほっといてごめんなさい!…私はあの場でシグナム達の攻撃を止めることができたわ!…それに…、ちゃんとあの時話ができていれば…こんな形で再開するはずはなかったのに…」

「シャマル先生…」

「シャマル…」


シャマルは顔を上げ、映司の顔を見つめた。
シャマルは半場泣きそうな表情で映司は言葉も出なかった。


「さっきもね…私たちは映司くんがオーズだということを知らない振りをしていたけれども…、映司くんと一緒にご飯を食べて…いっぱいお話をして…その時は本当に楽しかったの…。ヴィータちゃんだってそうよ?一緒にゲームをしていたとき、本当に楽しそうにしていたでしょ?あれも演技でもなんでもないのよ…みんなもそうでしょ?」


シャマルはそのままシグナムとザフィーラを見回した。
ザフィーラは相変わらずポーカーフェイスだったが、シグナムは答えるのに非常に苦労していた。


「ま…まぁ…半分は火野がどういう人物なのかを探っていたが…その、なんだ……途中からはそれすら忘れていた…」



映司はただ、みんなを見ていた。

今が10年前で、今彼らが行なっていることは許されることではない。
…しかし、内面は今となんにも変わっていない。


(皆、やっぱりいい人なんだな…)


「だから、お願い映司くん」


シャマルは再び映司を見た。


「お願いだから教えて、あなたの目的は…一体なんなの?」


それに続いてシグナムとザフィーラが身を乗り出した。


「火野、すべてシャマルの言うとおりだ。確かに私たちも火野に隠していることはまだ沢山ある。…しかしな、今の火野はまだ認めることは出来ない。まだ何も知らないのだ。頼む、お前の目的を教えてくれ…」

「…火野、我らとて鬼ではないのだ。もし我らが火野の力になれるのなら、この力を貸すこともできる…だから、頼む、火野」








映司は決断した。

もう隠せない、いや、出来ない。












「わかりました、もう、俺も隠しきれません」



「映司くん…!」

「火野…っ!」


映司はソファーから立ち、3人を見つめた。

もう迷いはない。










「聞いてください…俺は…『未来の世界』からきた人間なんです」

































………





「ふぅ、やっぱりお茶は日本茶に限るわね!」



「がはッ!ごほッ!…おいッ!!そこのガキぃ!!!!今すぐアイス持ってこいぃッ!!!!喉が焼けて死にそうだぁッ!!!!」



時空管理局では一人の怪人が今にも倒れそうな勢いで悶え苦しんでいた。
…アンクは興味本位であの通称−「リンディ茶」を飲んでしまったのだ。



「ちょっとアンク、リンディさんに失礼だよ」

「なに言ってるんだ!!あんなもん飲めたものじゃねぇよ!!お前も一変飲んでみろ!!!!」

「え?前、飲んだことあるけどすごく美味しかったと思うな…」

「おいおい、ここのガキの教育はどうなってるんだよ…」


フェイトの意外な答えを聞いたアンクは先ほどの怒りを忘れたかのように落ち着いてしまった。

自分が…おかしいのか…?



(アンクさんは何もおかしくありませんよ…)

(私たちだって今だに飲めませんから…)


アンクの表情を見た なのは とユーノは心の中で彼に励ましの言葉を送った。


(くそ…せっかく『味覚』を手に入れたってのに…一瞬なくなりかけたぜ…)

「さて、落ち着いたところで今の状況を説明するわね」

「あぁ?」


リンディは何事もなかったかのように、説明を始めた。
アンクは少し疲れたのか黙ってその説明を聞くことにした。


「えっと、率直に話すけど…アンクくん。あなたはこのままだとこの「時空管理局」で一生すごすことになるわね」

「あぁッ!?なんだと!!」


アンクはいてもたってもいられなく身を乗り出し、リンディを睨みつけた。


「どういうことだ!俺が何したんだよ!!」

「まぁ落ち着きなさい」


リンディはアンクの目の前にモニターを開き、説明を続けた。


「あなた自身にはなんの問題はないの。ただ、あなたの体内にある6つ謎のエネルギー体、これが問題なの」

(コアメダルのことか…こいつらもうそれに気づきやがったのか…)

「このエネルギー体は完全に私たち時空管理局が見逃せない物…ロストロギア級の物なの」

「ロストロギア?」

「僕が説明しよう」


クロノがアンクの前に立ち、説明を始めた。


「ロストロギアとは、過去に何らかの要因で消失した世界、滅んだ古代文明で造られた遺産の総称だ。多くは現存技術では到達出来ていない超高度な技術で造られた物で、使い方次第では世界はおろか全次元を崩壊させかねない程危険な物だ。」

「なるほど…。つまり俺の『これ』はお前たちの世界ではそれほどの価値があるってことか」

「それを管理し、世界の秩序を保つのが、僕たち時空管理局の仕事の一つってことだ。わかったか?鳥頭」

「だからお前は一言多いんだよッ!!」






「はいはい、そこまで。…いい?アンクくん。あなたのそれは本来存在していてはいけない代物なのよ、だからそれさえ私たちに渡してくれれば、あなたはすぐにとは言えないけど…自由になれる。お願い、それを私たちに渡して」


アンクはそっぽを向き、少し起こり気味に答えた。


「悪いなぁ、これは俺『自身』でもあるんだ。その条件を飲むことはできないな」

(こいつらに『コアメダル』の存在を知られるわけにはいかねぇからな)


「おい!いつまでしらばっくれているつもりだ!!」

「だから無理なもんは無理なんだよ!!」


再びアンクとクロノの口喧嘩が始まった。
もう誰にもどうすることもできなかった。


「艦長、どうしましょう…」

「う~ん…アンクくんの性格から見て簡単に渡してくれないとはわかっていたけれど…。エイミィ、このことは上層部には報告したの?」

「え?いえ、まだ誰にも話していませんよ!」

(う~ん……、ッ!そうだわ!!)


リンディは何かを思いつき、両手を叩いた。
それをみたクロノとアンクは同時に頭に?マークを浮かべた。


「ならこうしましょう!アンクくん!」

「な、なんだ?」