二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第11部 前編

INDEX|5ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 

047話 迫る時間と夕焼けと目覚めた欲望




「ヴィータ、そっちにいったぞ!!」

「おう、任せろシグナム!!」


シグナム達は現在、無限に海が広がる世界にいた。
その世界には陸は存在しなく、ずっと雨が降り注いでいた。

今、海中では全長100メートルは超える鮫のような生き物と交戦していた。


「はぁ…はぁ…あとちょっとね…」

「シャマル…、少し休んでいたらどうだ?」

「大丈夫よ、ザフィーラ…こんなの、はやてちゃんと映司君に比べたら!!」


その時、海が大きなしぶきを上げ、鮫が勢いよく宙返りして飛び出してきた。
ヴィータがとどめをさしてようだ。


「これで…少しは稼げるだろ…はぁ…はぁ…」











「シャマル、何ページ溜まった?」

「えっと…3ページ…まだまだね…」

「そうか…わかった…」


シグナムはレヴァンティンを鞘にしまい、そのままフラフラと宙を飛んで行く寸前だった。


「お、おいシグナム…少し休んだらどうだ?…お前、一度も休んでねぇだろ…少しは…」

「何をいっている!この馬鹿者ッ!!!!」


シグナムの罵倒がその場に響き渡った。
ヴィータは突然のことで何も声が出なかった。


「いくら倒しても…いくら集めても…全然足りない…ッ!!こうしている内に、主はやて は苦しんでいられるのに…私たちは…ッ!!!!」

「シグナム…」


あれから、シグナム達は地球には帰らず、ずっと闇の書のページ収集のため、戦い続けていた。
しかし、思うようにページは集まらなかったのだ。


「シグナム…お前、本当は泣きたいんじゃねぇか?…別に泣きたかったら、泣いてもいいんじゃ…」

「私はベルカの騎士だ、もちろんお前たちも…忘れたのか?ヴィータ…」



「シグナム…


お前…変わったな…」



「ああ、私は変わった…」

「…わかった、行こうぜ、皆」















………


地球のフェイト達が滞在するマンションでは、なのは 達を含む全員がクロノによって収集をかけられていた。


「ったく、一体なんだってんだ、クソガキ」

「いったいどうしたの?クロノ君」

「あぁ、君たちに状況報告があるんだ、エイミィ頼む」

「はいは~いっと…」


その瞬間、なのは達の目の前に大きなモニターが表示された。
そこに移し出されていたのは、どこかの資料室…というより、無限に本が広がる図書館のような場所だった。

そこには2人の女性が宙を浮いていた。


「あれ、あの人達、頭から…耳、かな…わかる、アンク?」

「あぁ…コスプレか?」


−ちょっとちょっとぉッ!!これは本物の猫耳ですよぉッ!!?−


突然、モニター越しから一人の女性が飛び出してきた。


「あぁ、紹介が遅れたね。この人たちは僕の師匠でもある、『リーゼロッテ』と『リーゼアリア』だ」


−リーゼアリアだ、よろしく−

−リーゼロッテだよ!それより、ちょっとぉクロ助!!そこの金髪のイケメン使い魔くんにしつけがなってないって怒ってよ!!−

「ふざけるなッ!!俺は使い魔じゃねぇッ!!」


怒鳴るアンクをフェイトが無理やり押さえつけた。
クロノはそのまま軽く咳払いし、話を進めた。


「さ、さて…今日まで彼女たちはこの『無限書庫』で闇の書について色々調べてもらったんだ、そして昨日、闇の書の真相がわかったと報告を受け、今日君たちを呼んだんだ」

「闇の書の…真相…」


クロノの一声で場の空気が静まりかえった。
あのアンクでさえ、それに耳を傾けた。


−えっとね…それじゃあまず最初に私から話すよ!!…まず闇の書なんだけど…これ本当の名前じゃないんだよねぇ…−

「…やはりな」

「え?アンクなんか言った?」

「いや、なんでもねぇ…」



通りで奴らの本に見覚えがあったわけだ…
あれはあの女が持っていた本と同じもんだ…。



−正式名称は『夜天の魔導書』、本来の目的は各地の優秀な魔導士達の技術を収集して、研究するために作られた主と一緒に旅をする魔導書なんだって−


「夜天の魔導書?…だったらなんで今は闇の書なんて言われてるんだい?」


−まぁまぁおちついて、ここからは私が離そう−


続いて、リーゼアリアが前に出て、再び説明を始めた。


−破壊の力を振るうようになったのは、歴代の持ち主の誰かが、プログラムを改変した…というのが一番しっくりくるわね…ただ…−


「どうしたんだ?アリア」


−うん…、資料によれば、旅をする機能は元からあるらしいんだけど…管理局の報告には「修復」する機能があるってあったのよ。…でもどこを探してもそれ関連の資料は一切出てこなかったのよ…−



修復?




…なるほど。


間違いない、それはあのアンジュの奴のコアメダルによるものだな。
載ってなくて当然だ。



「まぁそれは置いといてとして…本題はここからだ、アリア、続けてくれ」


−うん、それでここからが重要なんだけど…一番酷いのは持ち主に対する性質の変化ね。一定期間収集しないと持ち主自身の魔力や資質を侵食し始めるし、完成したら持ち主に力を際限なく使わせる…無差別破壊の為にね−




おいおい、ちょっとまて…




「おい猫女ぁッ!!それじゃぁ今までの持ち主は…」







−あぁ、お前の考えている通りだ










完成した瞬間、闇の書の力によって…










その闇の書の主は、死ぬ−













なのは達は言葉が出なかった。
だが、アンクは頭の中で次に行う行動が浮かんでいた。


「おいクソガキッ!ちょっとアイス買ってくるからなぁッ!!」

「お、おいアンク!」


そのままアンクはマンションから出て行ってしまった…。









「ねぇ、ユーノくん?」

「ん?どうしたの、なのは」



「ヴィータちゃん達って、これが目的で動いているのかな?」



「いや…僕にはわからない…でも一つ言えることは…」


ユーノは窓から空を見上げた。
雪が止まることなく振り続けており、明日には降り積もるだろう。


「彼女たちは…別の目的で動いていると思うよ…」

「別の…目的…」















「はぁ…はぁ…クソッ…どこにいる、映司ぃ…」


アンクは微かに放たれるコアメダルの波動を追い、ひたすら走っていた。
どういうわけか、今日は探知することができた。


「やべぇぞ映司…


今、お前らが行なっていることは…


お前の大好きな人助けなんかじゃねぇ…ッ!!!!」








−−−



「さぁて!次は映司さんの番やで!!」

「よし、…どっちだ?」


映司と はやて は、海鳴大学病院の はやての個室でババ抜きをしていた。
映司の手札には1枚、はやての手札には2枚、つまり、どちらかの札には「ジョーカー」があるということだ。


「ちょっと、早くしてくれな!私焦らされるのは好きじゃないで?」

「う~ん…あぁもう!これだッ…て、えぇぇぇッ!!?」


映司が引いたトランプは残念ながら「ジョーカー」だった。