二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第11部 前編

INDEX|6ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 

(うぅ…俺、探偵さんの事は好きですけど、この「ジョーカー」は好きになることできません…)


「さて、私は…これやぁッ!!」

「え、ちょっとまってよ!!」


しかし、はやて はいつの間にか映司の手札からトランプを引いていた。
しかも、その引かれたカードは「ダイヤのJ」、つまり映司の負けを意味していた。


「よっしゃぁ!私の勝ちや!!…じゃ、約束通りお願いな!映司さん!!」

「う~ん…本当はダメなんだけど…まぁ約束しちゃったし、しょうがないよね。…石田先生には内緒だよ?」

「大丈夫やって!」



実は はやて はとある「賭け」をしていた。
その内容は…「自分が勝ったら映司はオーズとなって、自分を空に連れて行ってほしい」…という、あまりにもぶっ飛んだ約束だった。

もともと絶対安静だったので、もちろん映司は猛反対したが、一歩も引かない はやてに負けてしまった。勝つ気でいたが、はやて の運気はかなり良いらしく、あっさりと負けてしまったのだ…。


「それじゃあ外は寒いから、暖い格好してね!」

「はぁい!」


はやて はよほど嬉しかったのか、満面な笑顔を浮かべながらコートを着て、外にでる準備をしていた。
そんな笑顔を見た映司の脳裏に、石田先生の言葉を思い出していた…。




−−−


「あと6日って…嘘でしょ?嘘なんですよね!!?石田先生!!!!」

「ちょ、ちょっと落ち着いてください、映司さん!6日というのはあくまで計算上の数値です!!」

「え…どういう意味ですか?」


その言葉を聞いた映司は、とにかく一旦落ち着き、息を整えて再び石田先生の顔を見た。


「実は はやてちゃんの麻痺は特殊なんです。急に麻痺の速度が早くなることもあれば、逆にそのスピードが停滞することもあるんです。先ほどいった6日というのは、今の麻痺の速度のまま進行が進んだ場合の数値です。…どうなるのかは、誰も予想できないんです」

「そう…なんですか…」


映司は身体の力が抜けた。
喜んでいいのか、悲しめばいいのか…わからなかった。


「ただ、気を付けてほしいのは…」

「…はい」









「もし、今後に発作が起きることがあれば…その…











覚悟をしておいてください…」







−−−


「映司さん!準備できたでぇ!!」

「ッ!!…え、あ、ごめん!じゃあいこうか、はやてちゃん!」

「うん、映司さん!!」


映司は はやて を車椅子に乗せ、屋上へと向かった。
幸いなことに、屋上には誰もいなかった。


「さて、ちょっと離れていてね!」

「うん!…そういえば私、映司さんの生の変身みるの初めてや!!」

「え?…あぁそういえばそうだね、じゃあ見てて!俺の変身!!」


映司はオーズドライバーを腰に巻き、メダルを3枚セットし、オースキャナーでベルトをスキャンした!

「変身ッ!!」
「おぉッ!!」

『タカ!クジャク!コンドル!
タージャードル~ッ!!』


映司はオーズへと変身し、そのまま はやてを車椅子から自分の胸へと抱き寄せた。
はやて はいきなりの出来事に驚き、おもわず頬を真っ赤にしてしまった。

「ちょ、ちょっと映司さん!いくらなんでも恥ずかしいわ…」

「でもこうしないと落っこちちゃうよ?」

「せ…せやけど…」

「じゃあ行くよッ!!」

「え、ちょっと…きゃぁぁァァァッ!!!!」

その瞬間、映司は翼を広げ、空高く飛翔した!
はやて はオーズの予想通り、悲鳴を上げていた。

「ちょ、ちょっとぉぉぉぉッ!!!!怖い!怖すぎるぅぅぅッ!!!!」

「ははっ!…ほら、見てみなよ。はやてちゃん」

「うぅ………」


はやてはまだ怖かったが、勇気をだして目を見開いた。
そこには…





「…あ…凄い…」

「ね?綺麗でしょ?」





はやて の瞳には夕焼けに染まる海鳴市が映っていた。

海は赤く染まり、建物はまるでおもちゃみたいだった。
だが、それがこの風景を一層美しさを引き立たせていた。








「なんや…めっちゃ綺麗やわ…映司さんと何度もこの夕焼けの下を歩いたことあったけど…
空から見たらこんな綺麗やったんやなぁ…」





「うん…本当に綺麗だね…」







「映司さん、映司さんは今、幸せか?…私はすごく幸せや…生きていれば、こんな綺麗なもの見れるんやなぁ…」





「俺も幸せだよ…はやてちゃん…」












−本当に、幸せだ。




ねぇ、今までこの夕焼けを見てきたあなたたちは


今は幸せですか?−















「あれ?ユーノくん、今なにか言った?」

「えっと…、なのはにも聞こえた?」












「え…、誰かな?…アンクじゃ、ないよね…。」











「クロノくん、今何か喋った?」

「いや、実は僕にも聞こえたんだ…なんだろ?」

「奇遇ね、私もよ?」

















「ん?麻里奈、今なにか言ったか?」

「いや、なにもいってないよ」

「そっかぁ…、誰だろ?」















「なるほど!仮面ライダーは裏ではゴルゴ……ん?なにか聞こえたような…おっと!メガネメガネ…」


















「『キターーーーーーーーッ!!!!』…ちがうな、なにか前に言葉を…あれ?誰かに話しかけられたような…」




















「…映司?…いや、そんなわけねぇか…」


















「…くしゅんっ…空って意外にさむいなぁ」

「そろそろ帰ろっか、はやてちゃん」

「せやな、ありがとな、映司さん!」


オーズと はやて はそのまま、病院の屋上へと帰っていった…。



………

二人はバレないように病院の個室へと戻り、それからまた数時間たった。
そんな時、はやての携帯に一通のメールが届いた。

「あれ?すずかちゃんや…一体なんやろ…え?嘘!?マジか!!?」

「ん?どうしたの、はやてちゃん」

「えっと…3日後にすずかちゃんがお友達連れてお見舞いに来てくれるんやて!!めっちゃ嬉しいわぁ!!」

「へぇ!良かったじゃない!!」

「うへへ…なんか照れるわぁ…」


(三日後、ちょうどクリスマスイブだね。…さてはなにか企んでいるな)

映司はそんな考えをしていると、急に病室の入口から看護師の人が現れた。

「あの、火野 映司さんですよね?お客さんが来ていますよ」

「え?俺に?…誰だろ、ちょっと行ってくるね!」

「うん!ゆっくりでえぇよ!」


映司は少し足早に下の階へ降りていった。

しかし、一体誰だろうか。
この世界では知り合いなんて数えるほどしかいない。

…いや、絶対に自分の事を忘れない人物が、一人だけいる。













「久しぶりだな、映司ぃ」

「え!?…まぁ予想通りだったけど、なんでここわかったの?アンク」


やはりアンクだった。
しかし、場所を教えていないのに自分の居場所がわかったのはなぜだろうか?