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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第11部 中編

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もとの映司の姿に戻った時、誰もが目を大きく見開いた。






「ひ…火野……お前…」

「…そうか…俺…痛み感じないから…気づかなかった…」





映司の身体の所々から血を垂れ流していた…。
服はボロボロに裂け、傷口から止まることなく血は流れ続け、
いつの間にか地面は映司の血でいっぱいだった。





「火野…わ…私は…」

「もういいんですよ…シグナムさん…」


映司はシグナムを優しく抱いた…。
その瞬間、シグナムの目尻に涙が浮かんだ。


「辛かったんですよね…もう…いいんですよ…」


「う…う…うぅ…」


「シグナムさんの居場所は…俺が…守りますから…」



「う…うぅあぁぁぁぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!あっぁぁっ…あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!!!!!」







「シグナム…」

「…我らは…」

「…うぅ…く…」









その場にようやくアンク達が到着した。
だが、4人は言葉が出なかった。

ヴォルケンリッターはボロボロで、映司に至っては既に致命傷を超えた状態。


「え…映司…お前…ッ!!」

「ッ!!…な…なんなの…これ…」

「大変だ…急いで皆手当しないとッ!!」

「…クロノ?…駄目だ…ここじゃ通信できない!!」








「…シグナムさん?」

「…く…う…すま…ない…すまなかった…ッ!!!!」

「…俺たち皆…家族…ですよね…?」

「…そ…ヒグッ…そうだ…当たり前だ!!私達は……家族…だ…ッ!!!!」

「そっか…やっと…つながった……








やっと…皆の手を…つ…か…め……」






















「…火野?」



シグナムは映司の異変を感じた。
…いきなり、映司が自分に全体重を掛けてきたからだ。




「…どう…したんだ?火野?…火野!?」




それに気づいたアンクとフェイトが近づいてきた。


「…おい、映司!?…映司!!!!起きやがれ!!!!おい映司!!!!映司ぃ!!!!」

「じょ…冗談だ…よね?映司…そ…そんな?」







「う…うそだ…ろ?」

「ヴィータちゃん…」

「…そ…そんなぁ!?映司ぃ…くぅ…」

「だ、ダメだよヴィータちゃん!!まだ動いちゃ!!」






「ざ、…ザフィーラ…これ…夢…よね?」

「…シャマル……事実だ…」

「嘘!!そんなわけない!!そんな…ひっ……あぁぁぁぁ…」


「二人とも……」






















「なんや…皆、なにしとるん?」


その声を聞いた全員が振り返った。

そこには、ここにはいるはずのない はやて の姿があった。






「シグナム…なんで映司さん…血ぃでてるんや?」

「…あ…主…」

「な…なぁ…なんで映司さん目ぇ瞑ったままなん?」

「はやて…落ち着いて!」

「なぁ!映司さん!!本当は起きてるんよなぁ!!?」


はやて はシグナムに抱かれている映司の元に近づき、がむしゃらに手を握った!!
だが、映司は全く反応しなかった。


「嘘や!!…そ、そんなんあんまりや!!な…なんで…なんでぇ!!?ちょっとぉ映司さん!!起きてくれな!!!!ホントは死んでなんかないんやろぉ!!!?な!!なぁ!!!?」


「あ…ある…」

「シグナム!!映司さん起きないんよ!!…これ寝てるんでしょ!!?そうなんやろ!!?シグナム!!!!なぁシグナム!!!!」









「…主はやて…火野…火野は…」




















「あ…あぁ…ああああぁぁぁぁぁ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!!!!!」




その瞬間、はやての元に「闇の書」が現れた。








「ッ!?お、おい…やばいぞ…」

「…ッ!!?まさか、アンク!!?」






『強制発動。守護騎士システム…解除…発動の為、足りないページを守護騎士のリンカーコアで補います』




その途端、シグナム達の身体が光初め、その粒子は闇の書へと吸い取られていった!!

「なぁッ!!?く…あぁぁぁぁッ!!!!」


「お、おい女!!」

「シグナムッ!!」






「な…なんだよこれ…うあぁぁぁッ!!!!」

「ヴィータちゃん!?ヴィータちゃん!!!!」







「ザ…ザフィーラ…これって…きゃぁぁぁぁッ!!!!」

「く…くそぉぉぉぉぉッ!!!!」

「シャマルさん!!ザフィーラさん!!」














「嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!」



はやて の身体が光り出し、それは少しずつ眩しくなっていった!!
アンク達は目を開けるのが精一杯だった。


「く、くそぉッ!!」

「す、すごい力!!…ま、まさか!!」












その瞬間、はやて の身体から莫大な魔力波が放たれ、

アンク達は吹き飛ばされてしまった!!






















「…痛て…クソッ!!一体なにが…」











「また…全てが終わってしまった…」






「ッ!!?」




アンクは身を起こした。
目の前には、一人の女性が立っていた。







「一体幾度、この悲しみを繰り返せば良い…」








「…おい、冗談だろ…」








その女性は銀色の長い髪…

黒いバリアジャケットに…

特徴的な黒翼…





「我は『闇の書』…我が力全てが…」








「…俺に…どうしろってんだよ…ッ!!!!」








「主の願い…そのままに…ッ!!!!」

















−−−









何もない黒い空間…



その中で…映司が立っていた。








「あれ?ここは一体…」







いつの間にか傷が治っており、ボロボロだった服も元通りだった。







「…ここは私の中だ…『欲望の王』」




「え…?」








映司は声が聞こえた方向に振り向いた。

そこには…







「え…あ、あなたは…」










「ようやく会えたな…火野 映司…いや…『欲望の王』」







この時は、まだ「闇の書」と呼ばれていた者が立っていた。