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神無月愛衣
神無月愛衣
novelistID. 36911
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化物語 -もう一つの物語-

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 そしてそこは、忍野忍――キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが原因で、よくないものの吹き溜まりと化している所である。
 そこへ行けば、神原は気分が悪くなる(僕は少し吸血鬼のため、忍に血を飲ませれば、大丈夫である)。
 つまりそれは――
「この町に――よくないものが集まっている……ということか?」
「分からないが、私はそう思う。こんな気分になる場所は、あそこぐらいだからな」
 そんな神原の顔色は、悪そうである。
 北白蛇神社に行った時みたいに。
「そうか……、分かった。ありがとう、神原。貴重な情報を教えてくれて」
「いや、いいんだ阿良々木先輩。お役に立てて光栄だ。……しかし阿良々木先輩、どうするきだ?」
「調べてみる――というか、聞いてみるよ、忍に。夜になったら起きるだろう。あいつも何か知ってるかも知れないし。怪異絡みだからな、多分。だから――早ければだが――夜には分かるだろう」
「そうか、分かった。なら阿良々木先輩、何か分かったら教えて貰えないだろうか。私も回復したいのでな。これだと、少しコンディションが悪い」
「分かったよ。じゃあ、一応夜になったら、こっちから電話するから」
「ああ、よろしく頼む」
 そう言って、神原は――BL小説を買うべく――駆けていった。
 しかし――どういうことだ?
 この町に、怪異――よくないものが集まっていると言うことは。
 何か――あるのだろうか?
 また、始めるのだろうか――怪異絡みの物語が。
「――ま、全ては夜になったら分かるか」
 それより早く帰らなければ。
 いつもより遅いんだし。
 そんな軽い考え事という程度に済まし、僕は、――もうあいつと会うことのない帰り道を歩いた。