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のび太のBIOHAZARD『THE NIGHTMARE』

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「学校の理科室にあった、持ち運び出来る『簡易ガスバーナー』です。いつか役に立つかもしれないので・・・。」
と言うと聖奈は全員に配った。
「ガスバーナーか。怪物に対してはあまり有効じゃなさそうだな。」
とジャイアンが言う。
「・・・・・ん?聖奈さんは空き瓶で何をしてるの?」
と、スネ夫が言った。見ると聖奈は空き瓶に何かの薬品を詰めていた。
「ええ、これはここにあった空き瓶を使って『火炎瓶』を作っているんです。」
と、聖奈は言う。
「・・・・・・・・・『火炎瓶』・・・・。」
と、真理奈。
「因みに今私が作っているのは塩素酸塩と硫酸の化学反応によって炎上するものです。」
聖奈が説明口調で言った。するとジャイアンが喋る。
「こんな所でうだうだしてもしょうがねぇ。スネ夫!のび太!この先を探索するぞ!!」
と、ジャイアンが叫んだ。
「判った。僕もそろそろ動かなきゃいけないと思っていたからね。」
と、のび太が言う。
「ええ!?ジャイアン、何で僕が行かなきゃならないのさ?」
と、スネ夫が泣き言を言うと、ジャイアンがすかさず言う。
「何だと?スネ夫のくせに俺様の言う事が聞けないって言うのか?のび太はすぐに承認したぞ。」
と、ジャイアンがゆっくりと且つ重みのある声で言った。
「あ〜もう解ったよ!行けばいいんでしょ!行けば!!」
と、スネ夫が自棄になって叫ぶと、ジャイアンは扉の前にいて、行く気満々だった。のび太達も行こうとすると、不意に誰かの声がした。
「あっ、私も行く!」
と言ったのは真理奈だった。
「いいの?真理奈ちゃん?」
と、のび太が訊く。
「うん、大丈夫だよ。」
のび太の声に返した真理奈はすぐに席を立ち、のび太に着いて行った。するとジャイアンがスネ夫に話し掛けた。
「スネ夫は臆病者だな。真理奈ちゃんでも自主的に探索に出掛けるというのに。」
「ほ・・・ほっといてよ・・・・・。」
スネ夫は情けない声で言った。そして、のび太、ジャイアン、スネ夫、真理奈の4人は奥へ進んで行った。奥は、狭い通路が続いており、怪物とは戦いにくい空間だった。しかし幸い怪物は一体も出て来なかった。80メートル余りの通路は左に道が続いていた。左への道は少し道幅が広かった。4人はそのままその道を直進した。暫く進むと、巨大な何かが見えた。
「・・・・・・・・何だこりゃ?」
ジャイアンが疑問を投げかける。そこにあったのは、のび太達が先程目にし、命懸けの追いかけっこをした岩と同等の大きさをしていた。
「もしかしてこれ・・・・・。」
「ジャイアン。恐らくこの岩は僕達がここから離れると転がって来るんだと思う。」
と、スネ夫が言うとジャイアンが返す。
「何でそんな事判るんだ?」
ジャイアンの問い掛けにスネ夫が答える。
「前に僕達が見た岩もこんな感じだった。それで引き返すと、その岩が転がって来たんだ。」
と、スネ夫が説明した。
「成る程な。」
ジャイアンが納得し、岩の方を向くと、のび太が居た。そしてジャイアンはのび太に話し掛けた。
「おいのび太。そこで何してんだ?」
ジャイアンの問い掛けに気づいたのび太が振り返り、言う。
「ああ、この岩が転がってくる仕組みがどうなっているのかを調べていたんだ。」
そう言ったのび太にジャイアンは訊いた。
「仕組みは判ったのか?」
それにのび太は答える。
「ああ判った。これは多分地雷の起爆する原理と同じだ。岩の接している地面を見て気づいたんだけど、僕達が踏んでいるこの地面は少し陥没しているんだ。特殊な仕掛けが施されていて、僕達が乗っていることで重力が掛かって、それで陥没しているんだろう。そして僕達がこの陥没している地面を離れたら陥没している部分が元に戻り、それで何らかのスイッチが入り、この岩が転がってくるんだと思う。」
と、のび太は説明した。
「じゃあ足の速い奴が残って、残りの3人は予め避難した方がいいな。」
と、ジャイアンが言う。
「あまり気が進まないけれど、現状ではそれが最善の選択だね。」
と、のび太が言った。
「じゃあ誰が残るかだね。」
と、スネ夫が言うと、ジャイアンが言う。
「ならここはスネ夫だな。」
ジャイアンがそう言うと、すかさずスネ夫が言う。
「何でだよ!」
と、スネ夫が言うとジャイアンが言う。
「だってお前が1番足速いだろ。・・・安心しろ。弔いはしてやるよ。」
ジャイアンのその言葉にスネ夫はすかさず返した。
「やだよ死ぬなんて!」
と、スネ夫が言う。
「そう怒るな。ちょっとした冗談だよ。だが、この4人の中で1番足が速いのはスネ夫だとは思うから、やってくれねぇか?」
と、ジャイアンが喋った。
「・・・判ったよ。」
スネ夫は渋々了解し、4人は作戦を決行した。スネ夫以外の3人が先に避難し、スネ夫は大岩の近くで待機した。のび太の推測通り、大岩は転がって来なかった。
「・・・・とは言ってもやっぱり怖いな」
と、スネ夫が呟くと、スネ夫の通信機が鳴った。
ピッ
「おいスネ夫聞こえるか?」
スネ夫の通信機から聞こえてきたのは、ジャイアンの声だった。
「・・・・聞こえるよ。」
スネ夫の返事を聞いたジャイアンは話し出す。
「よし、遠慮無く走れよ。スタミナ切れしない程度にな。危なくなったら援護してやるから安心しろ。」
それにスネ夫は返す。
「ああ、判ったよ。」
ピッ
スネ夫は通信機を切った。
「・・・・・・じゃあ行くか。」
と言うとスネ夫は大岩と反対方向に走り出した。それに続いて大岩も転がってきた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
スネ夫は全速力で走った。初めの頃は大岩の転がる速度より速かったものの、大岩は等加速度運動(等間隔で加速する運動)をしているので、段々スネ夫に接近してきた。
「お、追いつかれる〜〜〜〜!!」
スネ夫は泣き言を言いながら全力疾走をしていた。

やがて横道とスネ夫との距離が約60m辺りまで差し掛かった時に、のび太はスネ夫に叫んだ。
「スネ夫!姿勢を低くしろ!!」
スネ夫は言われるままに前屈みになった。
ガァン!
のび太が撃ったコルトパイソンが大きい銃声をあげ、転がってくる大岩の上部を直撃した。マグナムの弾丸が当たった大岩は直撃した時の衝撃により、一瞬止まった。すかさずのび太はスネ夫に叫んだ。
「スネ夫!今だ!走れ!!」
それを聞いたスネ夫は横道まで全力疾走した。



スネ夫は何とか横道に滑り込んだ。
ドォン!
大岩が壁に激突する音が聞こえた。その直後、スネ夫が喋った。
「はぁ、はぁ、何とか間に合った。」
「危機一髪だったな。」
と、ジャイアンが言う。
「のび太がマグナムを発砲して大岩を一瞬止めてくれたおかげで助かったよ。」
スネ夫がのび太の方を向きながら喋った。
「まぁこうでもしないと僕達はただ逃げただけだからね。」
と、のび太が言う。
「じゃあそろそろ先へ進もうぜ。こんな所でゆっくりしていられないしな。」
と、ジャイアンが言うと、全員は先へ進んだ。さっきまで大岩があった場所には左へ続く通路があった。
「どうやらさっきの大岩がこの道を隠していたようだね。何か意図的な感じを受けるな。」
と、スネ夫が言うと、他の3人も相槌を打った。