新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第12話
その時、唯がひび割れたコンクリートのわずかな段差に足をとられて転んでしまう。転んだ拍子に和から手を離してしまった。
和 「唯!!」
唯 「ううー・・・・いたぁーい・・・・。」
手と脚をすりむいて、道路に横たわる唯。急いで和が戻って起こす。
和 「唯!大丈夫?!ほら!立って!!」
唯 「痛いよぅ・・・・うぅ・・・。」
その時だった。二人を覆う巨大な影。見上げた和はぞっとする。唯の背後にD‐15が立っていたのだ。表情が変わった和に唯が問いかける。
唯 「・・・・和ちゃん?」
和はそう言う唯をぎゅっと抱きしめる。
D‐15 「ゴグアアアアアァ・・・!!!」
唯 「あうっ・・・・和ちゃん・・・ひいっ!!?」
不気味な声を聞いてゆっくりと背後を振り返った唯。一瞬にして恐怖に変わる。
和 (もう死ぬ・・・二人とも殺されてしまう・・・!!!)
唯 「恐いようっ!!和ちゃん!!」
泪を浮かべた目をぎゅっと閉じて抱きしめ合う唯と和。するどい鋭利な爪が振り下ろされた。
ヒュオッ・・・・・・・・・バギャガアアアアアアアアンッッッ!!!
一方、防戦一方を強いられるファイバード。撃ち続けられる液体弾が反撃のチャンスを霞ませる。
ファイバード 『何か突破口は無いのか?!』
その時だった。上空からロコモライザーが現れる。舞人が現地入りしたのだ。
舞人 「あれが、例の謎のロボットなのか?!ロコモライザー、フォームチェンジ!!レッツ!!・マイトガインッ!!」
マイトガイン 『おおうっ!!』
空中でマイトガインへと急速合体するロコモライザー。変形と同時に一方のD‐14にとび蹴りを見舞うマイトガイン。
マイトガイン 『はあああああああっっ!!!』
ズドォガギャアアアアアアアンッ!!!
吹っ飛ぶD‐14。だが、受身を取りながら建築物を破壊して着地する。
着地したマイトガインがファイバードに呼びかける。2大勇者はここで初めての邂逅を果たす。
マイトガイン 『大丈夫か?!』
ファイバード 『ああ!助かった!!』
マイトガイン 『見たところ同じ同志と見るが、お前は一体何処の所属なんだ・・・?』
舞人 「以前、桜ヶ丘に現れた謎のロボットだろ?名は一体・・・?」
ファイバード 『俺の名はファイバード。宇宙警備隊だ!!』
マイトガイン 『宇宙警備隊・・・・もしやエクスカイザーの仲間なのか?!』
ファイバード 『ああ!彼は、先輩にあたる・・・。』
2体が会話する中、D‐14が狙いを定める。これを確認していた舞人が注意を促す。
舞人 「会話に勤しんでいる場合じゃないようだ・・・!くるぞっ!!」
舞人がそういった矢先に2体のD‐14が攻撃を開始する。一斉に2体がファイバードとマイトガインに飛び掛る。
D‐14A、B 「ギギギギギイイイイッ!!」
斜め上上空から飛び掛ってくる2体のD‐14。ファイバードとマイトガインはそれぞれ対空射撃を行い応戦する。
ファイバード 『ダイナ・バスターッ!!』
マイトガイン 『シグナル・レーザー!!』
ズギャギャドォゴゴオオオオオオッッ!!!
弾丸とレーザーが2体を直撃する。だが、着弾時に生じた煙を抜けて槍状の鎌で襲い掛かる。
ドドォガズギャアアアアアアアンッ!!!
ファイバード 『うぐがぁっ・・・・・!!!』
マイトガイン 『何ぃっ!!?』
舞人 「ぐああああっ!!?」
突き飛ばされて倒れこむファイバードとマイトガイン。更なる攻撃が続けて見舞われる。
鋭い鎌状の腕が、倒れこんだマイトガインにガンガンと突きつけられる。一撃一撃のダメージが、今まで戦った個体と比べ大きい。コックピット内にも警戒アラームが鳴り響く。
ドォズガン、ドォズガン、ドォズガン、ドォズガン・・・・
舞人 「くそっ!これまでの奴とは違うぞ!!一撃のダメージがでかい!!!」
マイトガイン 『そ・・・・そのようだ!!ぐああっ!!』
ファイバードは揮われた槍状の腕に斬り払われて、ダメージを受けている。
ズドォガアアッ!!!
ファイバード 『がはっ・・・!!』
マイトガインの胸部に槍が突き刺さる。
ドォズギャガッ!!!
マイトガイン 『ぐおおっ・・・・彼はこんな奴を相手にしていたというのか?!!』
偶然か否か、ファイバードが相手にしてきたデストリアンと、マイトガイン、ジェイデッカーが相手にしてきたデストリアンは、何故か格違いのモノであった。
マイトガインは、今回の戦いで初めて格が上のデストリアンと対峙したのだ。
2機が苦戦を強いられる中、上空からの援護射撃が一時的な隙を作った。
ディギャガン、ディギャガァアアアアアンッ!!!
D‐14A、B 「ギギギギッ?!!」
ファイバード 『援軍?!』
上空からは、ジェイデッカーが駆けつけていた。Jバスターの銃口からレールガンが2体のD‐14に向かって撃ち放たれる。
ジェイデッカー 『こちらジェイデッカー!!これより援護する・・・あれが、謎のロボットなのか?』
舞人 「今だ!!マイトガイン!!」
マイトガイン 『感謝する!!はあああああっ!!』
ドォガアアアアッ!!
アッパーで蹴散らすマイトガイン。これに便乗するようにファイバードは天空に腕をかざしてフレイム・ブレスターを召喚する。
ファイバード 『フレイム・ブレスター!!』
上空より召喚されたフレイム・ブレスターがファイバードと急速合体する。
ファイバード 『フォーム・アアアアップ!!武装合体、ファイバアアアドッッ!!!』
昼下がりの空の下、反撃の狼煙が撃ち放たれた。
唯と和を襲った轟音・・・・だが、その轟音は二人を潰した轟音ではなく、D‐15を突き飛ばした音だった。
駆けつけたGTモードのエクスカイザーがD‐15を突き飛ばしたのだ。
ドォオオオオン・・・・ズガガガガガアアア・・・・!!!
着地しながらスピンターンし、唯の許へと駆けつけて止まるエクスカイザー。中からドライバーの勇が飛び出す。
勇 「大丈夫か!?」
和 「勇さん!私は大丈夫だけど、唯が転んじゃって・・・。」
唯 「勇兄ちゃぁあああん・・・痛いよ・・・恐かったよぉ・・・ふぅううぅぅ〜。」
勇にしがみつく唯。その体は恐怖の為か震えていた。唯の頭にそっと触れてなでる勇。
勇 「そうか恐かったんだな・・・無理もねぇ。けど・・・もう大丈夫だぞ、唯。」
エクスカイザー 『今はこの場を離れるんだ!さぁ、私に乗ってくれ!!』
その場を後にする一向。安全な場所で傷ついた唯をエクスカイザーがヘッドライトから出される修復光線で治療する。
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第12話 作家名:Kブレイヴ